国交省・土砂災害対策検討会 警戒区域指定の見直しへ ハザードマップ等へ反映想定
住宅新報 2024年10月29日 号 2面
土砂災害への対策について、国交省は19年12月にも社会資本整備審議会内に有識者会議「土砂災害防止対策小委員会」を設置して検討を行っている。「平成30年7月豪雨」や「令和元年東日本台風」等の災害により、土砂災害防止策における課題が顕在化したことを受けた措置で、20年3月には土砂災害対策の基本方針を示した答申を取りまとめた。今回の「土砂災害防止対策推進検討会」は同答申を踏まえつつ、従来の対策の分析・評価を行い、現在国が進めている防災気象情報の見直しも念頭に、更なる取り組みの強化を図る目的で立ち上げた会議だ。
議論の背景には、土砂災害警戒区域等(以下、警戒区域)について、行政としてどこまでを対象範囲とすべきかの判断が難しいという実態がある。土砂災害防止法に基づく範囲は指定に支障がないものの、同法の指定基準外ながら国民の生命・身体への被害が発生、または想定される区域については、別途の基準や判断が必要となる。
実際に、同法の指定基準を満たさない箇所で地すべり等が発生し、人的被害をもたらしたケースも散見される。同省は、近年の豪雨の激甚化により、従来は危険度の低かった地域でも土砂災害が増加・顕在化してきているとの見解を示す。他方、今回の会議で同省は「土砂災害を100%カバーするような基準値とし、やみくもに区域数を無数に増やすと、危険な区域を指定する意義が失われ、警戒区域への社会的な信頼度低下・避難行動への悪影響が懸念される」と指摘。更に、過剰な基準を設けると、膨大な区域の調査・指定を行うこととなり、多大な費用と時間を要する点なども課題として挙げている。



























