不動産取引現場での意外な誤解 売買編223 「仮差押」と「仮処分」の違いは何か?
住宅新報 2024年10月22日 号 19面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解

Q.前回の「差押え」の登記と似たような登記で、「仮差押」と「仮処分」の登記があります。この両者の違いは、どのような点にあるのでしょうか。
A.まず「仮差押」の登記ですが、たとえば抵当権の登記がされている物件であれば、その登記されている不動産の登記簿謄本を裁判所に提出すればすぐに競売の申立てができるのですが、登記されていない物件の場合には、裁判所による確定判決を得て競売の申立てをしなければなりません。ところが、そのような手間ヒマを掛けている間に、債務者がその物件を他に売却してしまったら元も子もありません。そこで、そのような危険性があり、かつ、急を要する場合の手段として、債権者が一定の「保証金」を裁判所に納付した上で、裁判所にその物件を「仮に差し押さえてもらう」という手続が仮差押の手続です(民事保全法20条)。
もう1つの「仮処分」の登記ですが、この登記には「仮の地位を定める仮処分」と「係争物に関する仮処分」の2つがありますが、不動産取引のようなケースにおいては、後者の「係争物」についてのいわゆる「処分禁止の仮処分」がとられることが多く、この手続も裁判所で結論が出るまで債務者に対し係争物の処分を禁止するという現状維持のための保全手続です(民事保全法23条)。






















