UR都市機構 理事就任インタビュー 横田玲子氏に聞く 「強み生かし新しい暮らし提案」
住宅新報 2024年10月1日 号 3面

――就任の受けとめを。
「『ウェルフェア等』の分野を担当することになったが、(その分野の施策として)UR賃貸住宅では14年から、『地域医療福祉拠点化』の取り組みを進めている。開始からちょうど10年が経ち、現在では戸数ベースで全体の半数超に当たる約37万戸・300団地以上で導入されるまでに成長した。高齢化社会に対応する『地域包括ケアシステムの構築』という国の政策に貢献するものであり、現在ではURの代表的な施策の一つになっている。この施策を担当するという、大変重い責務を任されたと認識している」
――現在の課題と対応は。
「アンケート調査によると、UR賃貸の居住者の多くが、団地に対して安心感や満足感を覚えている。それを踏まえ、今後は更に質の充実を図っていきたい。その中での課題としては、従来の居住者向け施策が、主に高齢者への対応を中心に進めてきたため、より幅広い世帯が『住んで良かった』と思える施策を講じていく必要がある。そこで、若年層やミドル層も包摂した『ミクストコミュニティ』の取り組みへと広げていくことで対応していきたい」
「併せて、団地の緑豊かな屋外空間など、URの持つ強みを生かしてハード・ソフト両面で〝新しい暮らし〟を提案していくことも重要だ。例えば敷地の規模を生かした現代的な遊び場の構築や『子育てサポーター』など、新たな試みが既に多数の団地で始まっている。こうした取り組みを、今後一層進めていきたいと考えている」
――民間との連携は。
「とても重要なポイントだ。民間の事業者や大学との連携による様々なサービスの提供と向上が、若年世代等に魅力を感じてもらえる結果にもつながるだろう。幅広い民間事業者等に連携に名乗りを上げてもらい、ハード・ソフト両面において取り組みを共に実践していければ」
――組織運営や人材活用の方向性は。
「ウェルフェア施策、地域医療福祉拠点化の実践においては、地域との連携が最も大事な基盤。各地域の主体や状況に合わせ、適切な関係性を構築していくためには、現場の創意工夫が大切だ。目標を共有しつつ各現場が工夫していくことで、互いの活動が結び付き、全体の成果が上がっていくような、柔らかい組織運営が適切だと感じている」
「加えて、URという組織においても多様性は重要だ。多様な人材がフラットに協力し、各自の強みと個性を生かして業務に取り組んでいくことが、ミクストコミュニティの実現と推進につながる」
■横田玲子(よこた・れいこ)=90年名古屋大学卒後、北海道開発庁(現国土交通省)に入庁。01年国交省大臣官房秘書課長補佐、20年UR都市機構監事などを経て、24年7月に現職。57歳。






















