住宅税制の「EBPM」検証 客観的な評価へ会議発足 国交省
住宅新報 2024年10月1日 号 2面
国土交通省は9月20日、「住宅税制のEBPMに関する有識者会議」(座長・清水千弘一橋大学教授)を立ち上げ、第1回会合を開催した。国会における税法改正附帯決議及び24年度与党税制改正大綱を踏まえ、住宅ローン減税等の住宅税制について、EBPM(合理的根拠に基づく政策立案、今週のことば)の観点から効果検証を進めることを目的とした有識者会議。
初会合である今回は、ローン減税及び新築住宅に係る固定資産税の減額措置(以下、固定資産税特例)等についての「ロジックモデル案」を主なテーマとして、同省の説明と委員による検討が行われた。同省は検討の土台となるデータとして、現在のローン減税制度及び固定資産税特例の概要を始め、各税制度のこれまでの改正経緯、措置の目的、適用件数や減収額等の適用状況を共有した。
同省はこれらを踏まえ、効果検証等に用いる「ロジックモデル」(施策の論理的な構造)の案を提示。制度の検討に当たって考慮すべき観点のほか、現状把握と課題、施策の効果と実現すべき目標などを設定した。
同モデル案の中で、ローン減税については(1)初期負担軽減による住宅取得促進、(2)住宅建設促進を通じた内需拡大、(3)省エネ性能向上によるカーボンニュートラル実現、(4)子育て世帯等の住宅取得支援による少子化対策・子育て支援という4つの観点から検討することとした。
また課題設定として、(1)(2)については「国民の収入が上昇しない中、住宅価格は上昇傾向にあり、持ち家ニーズの高い若年世代等は厳しい住宅取得環境に直面」「我が国経済全体としては、個人消費や設備投資が依然として力強さを欠いている」ことなどを挙げる。(3)は「住宅分野における省エネ対策の強化に当たっては、負担に配慮した上で進めていくことが必要」とする。(4)では、「子育て世帯・若者夫婦世帯は、その他の世帯と比べて住宅ローン借入額が大きい」ことから、幅広く直接的な支援措置の必要との認識を示した。
各観点における課題と制度の適用状況を踏まえた上で、同モデル案では施策の短期・中長期的な影響などを推測し、最終的に目指す政策効果に至るまでの過程を、段階的に検証していくための道筋をまとめている。固定資産税特例に関しても同様の構造で、現状把握と課題、各段階での効果検証の指標等を設定している。
会合ではこのほか、オブザーバーとして参加する不動産協会が、「住宅ローン減税制度の控除限度額の変化が住宅取得に及ぼす影響」についての考察も提示した。
同会議は今後、25年冬頃に次回会合を開き、今回共有された内容を基にした効果検証を行う。同省は「必要に応じて、会合は複数回開催する」としている。その後、同年夏ごろに開く会合で「中間取りまとめ」を作成、公表する見込みだ。




























