「令和時代の賃貸ビジネス」~コンサルタント沖野元の視点~ 第57回 シアトル滞在記(3) 本場のホームインスペクションを見学
住宅新報 2024年9月17日 号 18面

引き続き7月に滞在した米国シアトルでの経験を共有したい。シアトルの不動産エージェント宅にホームステイして米国不動産の仕組みや不動産エージェントの働き方を学ぶというものである。筆者をホストとして受け入れてくれたのはシアトルのトップ1%エージェントであるタンさん。3日間、タンさんのお宅に泊りながら行動を共にした。
前回この稿ではオープンハウスに同行した話を書いた。今回はその翌日にタンさんが売却を依頼されたという戸建てのホームインスペクション(住宅診断)を一緒に見に行った。現場に着くと既にインスペクターがインスペクションを始めており、挨拶を交わした。結構年配の人だったのが意外だった。驚いたのがかなり細かいと思われるところまでチェックしていることだった。例えば各部屋のコンセントが使用できるか、その全てに検査機器をセットして確認していたり、水道の不具合はないかと実際に流していたり、ドアの建て付けは問題ないかと何度も開閉していたり、洗濯機と乾燥機も空の状態で作動させてチェックしていた。筆者は日本で戸建てのホームインスペクションに立ち会ったことがあるが、屋根裏と床下の点検や専用の機器を使って傾きなどのチェックは覚えているが、今回見たような細かい部分まで確認していたかは記憶にない。
この戸建ては2台の車を駐車できる駐車場専用の平屋が隣接していて、インスペクタ―はその屋根に上がって屋根の状態を確認していた。もちろん天井裏や床下に入って写真撮影もしていた。天井裏に入る際に防塵(ぼうじん)マスクを着けていたので、のぞかせてもらったら断熱材が直に敷いてあった。日本なら袋に入ったものが多いだろう。一酸化炭素の分量を量るものをコンセントに挿したりもしていた。これは法律で定められているという。当日はトイレの水漏れやドアの丁番の不具合も発見していた。






















