ニュースが分かる! Q&A 都市部における生物多様性を可視化 在来樹種で不動産各社も重要性を分析
住宅新報 2024年7月30日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A
記者A この間、久しぶりに実家に帰ったついでに、学校行事なんかでよく散策していた里山に行ってみたんだけど、当時とそんなに変わっていなくて、懐かしかったな。
記者B へえ。学校で登山や遠足は記憶にあるけれども、里山って感じではなかったなあ。何のために行くんですか。
A 何のためかはわからないけれども、理科の授業なんかでは結構役にたったよ。稲なんかも身近にあったし。あ、そうそう、歩きながら、土手のイタドリをかじったりしたなあ。
B イタドリってなんですか?
A タデの仲間だよ。茎に赤い斑点があって、どこにでも生えているよ。春先の若芽はかじると酸っぱかったけど、結構クセになる味だったな。
B 生えているものをそのままかじるってどうなんですかね。
A さすがに皮はむくよ。フランスでジャムに使われていて、日本でも見かけるようになったルバーブも、確かタデ科だろう。初めてルバーブを食べた時、「これイタドリだよな」と思ったんだよ。
B でも、イタドリって野草ですよね。そういえば、海外で繁殖しすぎて世界で侵略的外来種に認定された日本の植物もあるみたいですよ。
A まさにイタドリのことだよ。何でもシーボルトがヨーロッパへ持ち込んだらしい。特にイギリスでは、観賞用として富裕層に愛でられたこともあったのに、いまやすっかり悪役なんだってさ。成長が早くて地下茎がしぶとく、捨てられた先でも増え続けるらしい。当然、現地の植生を脅かしているわけだよ。何でも、駆除のために天敵の昆虫を輸入したそうだよ。虫に食べさせるくらいなら、それこそルバーブの代用にでもすればいいのに。
B ところ変われば何とやらですね。そういえば、7月9日に積水ハウスが実施したフォーラムは、まさに都市の生物多様性がテーマでした。
A 積水ハウスは2001年に、地域の在来樹種を中心に植栽する「5本の樹」を開始するなど、いち早く生態系の保全に取り組んでいたね。
B 「5本の樹」のコンセプトは〝3本は鳥のために、2本は蝶のために〟でしたね。これまで累計2000万本を達成したそうです。
A それだけ実績があるなら、何らかのデータがあるだろうな。
B まさに、同社は琉球大学理学部の久保田研究室と検証を進め、6月に「生物多様性可視化提案ツール」を開発しました。建築地ごとに生物多様性保全効果が高い植栽樹種の組み合わせをシミュレーションできるもので、世界で初めてだそうです。
A すごいなあ。ちなみに、フォーラムにはどんな事業者が登壇したんだい。
B 東急不動産は、保有・運営する物件の所在での自然の重要性などに関する指標分析をしているそうです。特に渋谷の同社施設における緑化率は12年に回復に転じ、施設の建設前と建設後の生物多様性効果が可視化されていました。特に昨年オープンした「渋谷サクラステージ」は7%超と突出していました。
A 最近オープンした施設だとより効果がありそうだな。
B はい。三菱地所レジデンスも、自社開発する分譲マンションの植栽には侵略的外来種を採用せず、過半数は在来種を採用し、物件の規模を問わず、独自の維持管理基準を標準採用しているそうです。
A 今回登壇した事業者以外にも、生物多様性に取り組んでいる事業者は少なくないよ。当たり前のこととして浸透してきたのかもしれないな。
























