埼玉県・空き家対策連絡会議 不明地対策と体制一本化 行政代執行の対応事例も共有
住宅新報 2024年7月30日 号 3面
同連絡会議は、空き家対策の主体となる市町村を、同県及び関係団体等が一体的に支援することを目的として、14年に設置された連絡会議。県と県内全市町村のほか、埼玉県宅地建物取引業協会や全日本不動産協会埼玉県本部、日本賃貸住宅管理協会埼玉支部といった業界団体等17団体も参画し、これまで毎年2回の頻度で会合を開いている。
今回の会合の冒頭、議長を務める同県都市整備部の若林昌善副部長は、「改正空家対策特措法の施行により、(空き家対策における)自治体の役割が一層高まっている。この会議を通じ、対策が更に進展することを期待する」との考えを述べた。
国の方針受け年度内に改組
今回は、同県の総合的な土地利用施策を所管する土地水政策課も参加。同課担当者は、「これまで(同県の施策は)空き家への対策が中心だったが、国は近年、不明地利用円滑化特措法の改正や、相続登記の義務化に向けた民事基本法制の見直し、相続土地国庫帰属法の成立など、不明地対策にも注力しており、市町村等が空き家と一体的な体制で対策に取り組むことを推奨している」と足元の動向を説明した。
こうした背景を踏まえ、24年度第4四半期に同連絡会議を改組し、「(仮)埼玉県空き家・所有者不明土地対策連絡会議」とする計画を示した。
除却費用の回収は困難
県内市町村の取り組み紹介として、深谷市が23年に実施した特定空き家の代執行事例について事例を共有した。
対象敷地内の建築物は7棟全てにおいて、建物の傾きや瓦・外壁の剥離、一部倒壊及び隣地への倒壊の恐れなど、危険性の高い状態を確認。しかし同市が重ねて指導や勧告、命令、戒告を行っても「全く対応がなかった」(同市担当者)ため、23年12月に代執行を開始した。
しかし、ノウハウや費用算定の困難さなどから、建物の解体・撤去作業を実施する市内業者の選定が難航したほか、除却費用の負担も大きな課題となった。同事例で要した費用は495万円で、事業者への支払いは同市と国が2分の1ずつ負担。所有者には支払いの能力がなく、債権回収の見込みは立っていない。
現在は、物件所有者の意向の下、当該土地の市場流通を目指して同市が不動産事業者と調整中ながら、先行きは不透明。特定空き家への対処の難しさが、改めて浮き彫りとなった。
空き家バンク支援強化
同県の施策としては、24年度新規事業として、空き家の利活用推進へ向けた「空き家バンク活性化支援事業」を創設。既存の「空き家対策マニュアル」の改訂も行い、空き家特措法の改正で新設された市町村の業務等を反映する。加えて、埼玉宅協及び全日埼玉との協力事業である「空き家の持ち主応援隊」事業など、各分野の既存事業も引き続き実施していく。
このほか、同連絡会議内の専門部会から、「電力データを活用した空き家実態調査」のモデル調査についての報告も行われた。




























