実効性重視の「立適プラス」提唱 立地適正化計画検討会が議論集約
住宅新報 2024年7月30日 号 2面

街の「健康診断」で理解促進
同検討会は、都市再生特措法(14年改正)に基づく立地適正化計画(以下、立適)制度が、24年に創設から10年の節目を迎えることなどを受け、23年12月に設置された有識者会議。
今回提示された全体取りまとめ案によると、23年度末時点で全国の568市町村が立適を作成・公表済みで、作成中の自治体も含めると747市町村が既に取り組んでいる状況。国の設定する「24年度末時点で600市町村の作成・公表」との目標に対し、進ちょくは順調と言える。
他方、同検討会では、「作成の必要性が高いにもかかわらず、取り組みが進んでいない」「作成済みながら、評価や見直しを実施していない」市町村があることや、評価方法が市町村によって異なる点などを課題として指摘。立適の実効性を高めるため、制度のあり方を議論してきた。
客観的な判断を加味
今後の方向性として筆頭に掲げたのは、「市町村の意向重視から、必要性も加味した取り組みへの転換」だ。
立適の計画作成数自体は増加しているものの、傾向として、小規模市町村では対応が進んでいない。同取りまとめ案は、そうした市町村こそ、今後想定される人口減や高齢化、財政面の厳しさなどから「持続可能な街づくりの必要性が高い」一方で、計画作成が進まない点を課題と見る。
要因の一つは、人材や予算といった自治体のリソース不足。同時に、「(立適は)必要ないとする小規模市町村もあり、抱えている都市課題を的確に認識できていない可能性」を指摘している。
そこで同取りまとめ案では、市町村の意向だけでなく、人口や都市機能の状況など、「客観的状況から判断される必要性」も加味した取り組みを推進すべきと提言。併せて、その「必要性」を定義する要素も精査し、客観的な指標に基づいて当該市町村に立適作成を訴求していくという考えだ。加えて、市町村が立適の必要性を適切に判断するための環境整備も進める。
立適の見直しも重視
同取りまとめ案では、立適を作成済みながら、評価や見直しを行っていない自治体に対する施策も提示。適切な運用と改善による計画の実効性向上へ向け、必要なデータ整備と共に、評価レポート「まちづくりの健康診断」の提供を推進すべきと主張する。標準的な評価構造・指標を構築した上で、立適の見直し方策まで含めたレポートを市町村に提示するもので、その内容と市町村の対応に応じた国の働き掛けも視野に入れる。
同レポートは、立適未作成の市町村に対して、現状認識を促し作成を訴求していくための方策としても活用していく。このほか、自治体への周知・啓発やノウハウ提供、人材確保・育成へ向けた支援など、必要な施策を幅広く講じていくことを目指す。
今後は、同取りまとめで示した方向性の具体化へ向け、市町村と国、都道府県がそれぞれの役割を果たしながら、短期的には5年を目安に立適の作成・見直しを進めていく。その後、20年程度の中長期的には、市町村による立適の「更なる拡大」や「能動的PDCA」を進めていく。


























