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スタンダード会員限定地方での共創に注力 産学官のまちおこし 不動産各社、仕掛り案件に期待

住宅新報 2024年7月30日 号 1面

総合
  • 地方での共創に注力 産学官のまちおこし 不動産各社、仕掛り案件に期待

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  • 群馬県みなかみ町では旅館の旧従業員寮を活用し、22年、23年と2年連続で「廃墟再生マルシェ」を開催した

    2 / 3群馬県みなかみ町では旅館の旧従業員寮を活用し、22年、23年と2年連続で「廃墟再生マルシェ」を開催した

  • アールシーコアは分譲戸建て事業において、21年に暮らしやコミュニティ醸成を支える規範「梺六範」を打ち出した

    3 / 3アールシーコアは分譲戸建て事業において、21年に暮らしやコミュニティ醸成を支える規範「梺六範」を打ち出した

 オープンハウスグループは近年、同社の住宅供給エリアとは異なる群馬県を中心に地方共創に取り組んでいる。創業者の荒井正昭社長が同県の出身であることから、相談を受ける機会が多かったことが、取り組みの後押しになった。現在は、太田市、桐生市、群馬県利根郡みなかみ町でそれぞれのエリア特性やニーズ、地域課題などに則った取り組みを展開している。桐生市では、21年3月に閉校した桐生南高校跡地を取得。甲子園出場経験のある同社社員が地元の中学生の野球チームを立ち上げ、監督に就任したほか、かつて町の発展を支えた伝統工芸の絹織物にも着目し、絹織物の刺繍(ししゅう)のワークショップも想定し跡地を整備するなど、跡地再生に取り組んでいる。

 みなかみ町とは、21年9月に群馬銀行や東京大学大学院工学系研究科と包括連携協定を締結。中山間地域における地域社会の発展と地域経済の活性化、町民サービスの向上などを目的に、「水上温泉街再生プロジェクト」を推進。かつて団体客の受け入れや宴会場で知られる温泉街だったが団体旅行の人気の下火や老朽化に伴い、防犯・防災面など喫緊の課題を抱えている状況からの再生を図っている。昨年6月には東京大学と社会連携講座「持続可能な二地域居住の創造」を開設した。

 荒井社長の出身地でもある太田市には、企業版ふるさと納税でBリーグ所属のプロバスケットボールチーム「群馬クレインサンダーズ」の拠点「オープンハウスアリーナ太田」を建設。子会社がチームの運営を担い、競技やスポーツを通したコミュニティづくりを進めている。太田市は人口が増加しており、特に子育て世帯の流入が目立ち、同社の商品性や営業方法などの親和性などから、住宅供給も手掛け、初めて20万規模の都市へ進出した。同様のニーズなど事業の〝勝ち方〟が見えれば、他の人口が増え、勢いのある地方都市への展開も視野に入るという。

買い取り再販、移住に着目

 同社は、別の切り口からも地方への取り組みを推進している。今年4月には、地方への取り組みとして、地方移住コンシェルジュサービス「SUMICA(スミカ)」を開始し、都心部から地方移住への検討者を対象に相談窓口を設けた。

こちらは、同社の買い取り再販事業の開始に伴い、仲介会社からだけではなく、直接用地を買い取る機会が増えたことから、相続や移住のニーズに注目した。

直接物件の仲介をするわけではなく、移住先への情報収集や移住先の選定、建物や用地の売却、引っ越しスケジュールなどの調整など、ワンストップでサポートすることによって、買い取り再販事業などの認知度向上を図っているが、単体の収益事業としてではなく、具体的な移住相談などの対応に積極的な自治体との連携をとることで、まずはサービスの向上を図りたい考えだ。

コミュニティ醸成が活路に

 アールシーコアは昨年5月に、長野県小諸市と「移住定住促進を軸にした地域活性化に向けた連携に関する協定」を締結した。首都圏の移住関心者に向けて官民やメディアと連携したライフスタイル提案型の情報発信やPRイベントを展開。昨年7月に、東京・代官山エリアの自社展示場「BESS MAGMA」(東京都目黒区)で信州・小諸の食文化や暮らしを体感するイベント「コモロミニッツ」を、東京メトロ利用者向けに〝日本の地域〟をテーマに据えたフリーマガジン「メトロミニッツ」(スターツ出版発行)と共同で開催。小諸産の朝採れ野菜やワインの販売など食文化の体験、木工製品の販売やワークショップ、移住やログハウスライフをはじめ様々な切り口によるトークセッションなどを実施し、2日間で延べ約600組が来場した。更に8月には小諸体験バスツアーを開催。市内散策、移住者との交流や農作業などの体験、分譲地や空き家の見学などを実施。今年も7月27.28日の2日間、「農ライフ」をテーマに同イベントの第2弾を開催。〝オール小諸〟の12ブースが出店した。

 同社は17年に「梺(ふもと)ぐらし」の提案を開始。都市部から適度な利便性を保つ郊外部のうち、里山などの自然と身近に接する〝大らかな暮らし〟を提案。19年にトライアルで神奈川県内の3カ所18区画で分譲事業を展開し、20年に本格開始した。

 同社の同事業のポイントは、21年に打ち出した、暮らしを支える規範「梺六範(ふもとろっぱん)」(写真(右))だ。物件の購入は「梺六範」への賛同が前提となる。同規範を打ち出すことで、コミュニティの醸成や地域活性化などへの貢献を目指す。地方自治体や地元の事業者との共創を見据え構想した。

 首都圏では代官山・多摩・藤沢の直販エリアを中心に神奈川県厚木市・小田原市・秦野市、東京都西多摩郡・八王子市・町田市、埼玉県入間郡、千葉県一宮市で80区画、販社エリアでは福岡県那珂川町に25区画を供給している。

 長野県小諸市では、22年に20区画の戸建て分譲住宅地「小諸 梅の坂上 FuMoTo」(20区画)を早期完売。ほぼすべてが都心部からの購入で約7割が移住、3割は数年後の移住を見据えた二拠点生活を計画。移住や郊外での暮らしを検討していたわけではないが、イベント来場によって暮らし方への共感や、暮らしのイメージの具現化が後押ししたケースもあったという。

 長野県小諸市は人口約4万1000人(24年7月1日時点)だが、20年以降、4年連続で社会人口(転入から転出を差し引いた人口)が増加。都圏からの移住者も増加傾向にあるという。

 同社の価値観を共有する企業や自治体との協業やそれを通じた事業領域の拡大を進めたい考えだ。

 

 

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