古民家宿の物語 日本全国リノベーション (66)神奈川県葉山町「The Bath&Bed Hayama」(下) フォーマット生かし全国展開へ
住宅新報 2024年4月30日 号 15面

投資型クラウドファンディング「ハローリノベーション」のサイト
コロナ禍も稼働率を維持
エンジョイワークスは、コロナ禍での葉山での土蔵の宿の営業を心配したが、結果として、稼働を落とさなかったと福田代表。一棟貸しというスタイルが、他人との接触機会を減らし安心感を生む。更に海の近くが開放感をもたらし、引きこもりがちな生活に潤いをもたらしたのだろう。コロナ終息後の現在も、売上が順調だという。
各地の蔵を利活用へ
そこで土蔵の宿というスタイルで、同じビジネスモデルで全国展開することになった。22年8月に電通と業務提携をして、ブランディングとマーケティングを担ってもらった。また葉山で組んだ外部スタッフが再結集した。
23年には、5000万円のファンドを作り、富山県立山町、長野県小布施町、長野県佐久穂町の3カ所が同時にスタートし宿泊施設が立ち上がった。年明けから宿として稼働している。
部屋の構成は葉山と同様、1階にお風呂とリビング、2階にベッドルームというスタイルだ。風呂はヒノキやジャグジーなど、スタイルは違うが基本プランは同じ。建物の大きさが違うと毎回プランを考えるところ、同じフォーマットだとスムーズだ。
土蔵は頑丈な点もポイントが高い。構造がしっかりしていて、断熱や調湿機能もある。だから躯体より内装デザインに資金を集中できる。
小布施町の蔵はリンゴ農園の中にある。佐久穂町の蔵は山合の町で、目の前は清流だ。立山町の蔵は田んぼが広がる景色に溶け込んでいる。りんごの収穫など、外に出ていくことで、地域ならではの体験ができ、エリアの特長が生かされ、宿の個性となる。
投資が好意的に変化
エンジョイワークスは、葉山と同様、投資型クラウドファンディングを呼び掛けたところ、反応が良いという。以前は投資額も5万円から10万円の小口が中心だった。今回は投資額も大きくなり、500万円単位も珍しくない。
地域を成長させることに関心のある投資家が多く、葉山のビジネスモデルに手ごたえを感じたのだろう。葉山から始まった土蔵の宿は、今後も更に増えていきそうだ。
宿=「The Bath&Bed Hayama」
住所=神奈川県三浦郡葉山町
ウリ=葉山の中心地でありながら静寂な空間






















