大谷巌一の〝ピンチはチャンス!〟逆風に帆を張るビジネスの創り方 イーソーコ取締役会長 大谷巌一(聞き手・出村亜希子) 第1回「君は倉庫業には向いていない」
住宅新報 2024年4月16日 号 3面

現代は、将来の予測が困難な時代といわれています。国内の企業の大多数を占める中小企業にも経営環境悪化の波は押し寄せ、先行きが見通せない昨今の状況をピンチと感じている経営者が少なくないでしょう。こうした中、当社グループが推進する「物流不動産ビジネス」に、一層の注目が集まっています。倉庫・物流施設を基軸とした総合ソリューション、多動力を駆使し、スキルと収益の多様化を推進する。そんなスキームを創り上げ、体系化した、当社グループ会長・大谷巌一の歩みを振り返り、いかにピンチをチャンスに変えて成長していくか、そのヒントをお話ししたいと思います。
1981年に大学を卒業した24歳の大谷は、物流倉庫会社に新卒として就職しました。当時から「3K(きつい、汚い、危険)」と言われた業種です。高度成長期とバブルの谷間となる短期の就職氷河期の最中、大手流通企業を目指したもののことごとく落とされ、知り合いに頼んだ縁故採用でどうにか掴んだ就職先でしたが、1年も経たないうちにピンチに見舞われます。「君は倉庫業には向いていない」と、上司や先輩に転職を促されたのです。
大谷自身は、「熟考性に欠ける『感即動』が、どうやら軽い性格にみられたようだ」と振り返っています。「感即動(かんそくどう)」とは「感じたらすぐ動く」ことを指す、論語に典拠する言葉ですが、要するに先走り、早とちり。先輩から学んだ仕事の手順を簡素化したり、頼まれてない仕事まで出しゃばって手をつけたり。そして、話好きでお節介――それが転職を促された主な原因だった――というのが、当人の自己分析です。






















