対談・経営統合 イタンジ・Housmart 事業展開スピードを加速 賃貸と売買領域で経営統合
住宅新報 2024年3月26日 号 8面
――経営統合が実現した。
針山 「実は当社では、IPO(新規株式公開)を視野に動き始め、将来的な賃貸領域の進出も想定していた。ただ、自社の限られた人材や資産のリソースでは、思い描く事業展開の〝スピード〟に限界がある。当社のミッション〝住を自由に〟の実現を〝加速〟させるために、顧客や取引先、従業員にプラスに働くポジティブで戦略的な経営統合は、有力な選択肢だった」
――戦略的な選択肢。
永嶋 「当社も時間を掛ければ、売買領域への進出は可能かもしれないが、実現のスピード感から経営統合は、最適な選択だった。不動産会社では、賃貸と売買の両方を手掛ける先が少なくない。両業務を全体最適化する統一化したサービスを望む声が多く寄せられていた。両社は創業年が近く、担当者レベルでは交流があり、親近感もあった」
――不動産会社が望む声。
永嶋 「当社が提供する不動産賃貸仲介向け営業支援システム『ノマドクラウド』の単純な売買版への転用は、最適解とは言えない。Housmart提供の売買領域のシステム『PropoCloud』(プロポクラウド)と合わせた統一化サービスの形が実現すれば、導入活用する不動産会社に求められている理想のサービスの姿に一層近づけるのではないかと考えた」
――求められている姿。
針山 「不動産テックサービスという大枠では、両社は同じ領域でソフトウェア開発を手掛ける。社風や企業文化も似ていると感じている。両社で交流を深める中、イタンジのスタッフは若く優秀で、良い刺激を受け始めた。経営統合で〝規模の経済〟の効果を発揮し、新しい形のサービスを生み出せる。不動産会社の体験価値を最大化できる」
業務をなめらかにつなぐ
――新しい形のサービス。
永嶋 「現在各社が様々な不動産テックサービスを提供し、選択肢が増えた一方、複数のツールを使う業務負荷から〝DX疲れ〟の声が聞こえる。当社は、賃貸領域の一連の業務をデジタル化で円滑につなぐサービス群の提供で、その課題解決を支援する。シンプルな機能で使いやすく、内見予約や入居申し込み、電子契約や基幹システムまで揃えている。今後は、『PropoCloud』の売買領域が加わる。賃貸と売買の両領域に幅を広げてデジタル化を支援できる」
――提供領域の幅を広げていく。
針山 「賃貸と売買向けの異なるアプローチも、両社の目指す先のビジョンが同じであれば、不動産業界の課題を〝解き放つ〟サービスを生み出せる。GA technologiesグループは人材採用で惹き付ける求心力が強い。本質的な課題をソフトウェアやシステム開発で解決する人材の〝熱量〟がある。当社の開発でも適度な緊張感で臨める。自身の職歴で実務経験がある不動産業務は、一人ひとりの暮らしや人生にも関わる。ただ、高度な情報産業ゆえに、手間が掛かりやすい。業務をデジタル化で効率化し、人材が活躍できる時間を創出すれば、進展するデジタル社会でも、不動産の仕事は輝き続ける」
――輝き続ける仕事。
永嶋 「今までにはない体験価値をつくり続けることが我々の使命にある。不動産業界のDXの支援で、両社が同じ〝チーム〟として新たなアプローチを始める。それぞれに培った異なる視点や観点からの〝気づき〟を得られ始めている。思考の広がりの効果も実感している。不動産業界は今後、総合的な資産運用アドバイザーの役割に発展していく。皆さんの時間軸と同じ歩幅ながら、少し先を行く未来の不動産業務の姿を我々の最新技術で示したい。様々な業務をデジタルでなめらかにつないで全体を最適化する〝ボーダーレスなDX〟の支援で期待に応えていきたい」

























