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スタンダード会員限定広がる物流不動産ビジネス ラストワンマイルを究める 業界横断で倉庫に可能性 第12回 イーソーコ総合研究所 代表取締役 出村亜希子

住宅新報 2024年3月12日 号 3面

総合
  • 広がる物流不動産ビジネス ラストワンマイルを究める 業界横断で倉庫に可能性 第12回 イーソーコ総合研究所 代表取締役 出村亜希子

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  • イーソーコ関西・笠野英樹社長

    2 / 2イーソーコ関西・笠野英樹社長

 灯油の物流改革からスタートしたシューワ(大阪府堺市)は、タンクローリーを約300台所有し、関西を中心に全国各地で灯油の巡回販売を行う会社です。その自社配達網を生かし、夏はエアコンクリーニング、また、富士山麓の自社水源から製造した天然水の配達やウォーターサーバーの設置を行うなど、トータルライフサポート企業として事業領域を拡げてきました。更に、時代の要請に応じて人材派遣やBCP、太陽光発電にも事業進出するなど積極的に多角化を推進。いまやグループ7社に拡大した成長企業です。

 シューワの矢野秀和社長とイーソーコグループ会長の大谷巌一とは、約10年前にイーソーコがグループ会社のシューワプラスに倉庫を紹介したことを機に、定期的に情報交換するようになりました。灯油の巡回販売という、消費者と直接接点を持つラストワンマイルの自社物流に付加価値を付けてビジネスを展開する手法は、倉庫・物流施設を基軸に様々なソリューションビジネスを展開する物流不動産ビジネスとも相通じるところがあり、互いに親近感を感じていました。

 また、シューワには自社配達網の構築でセールスドライバーが多く在籍しており、人との接点が多く、営業情報を多く得るのにうってつけといえます。そこで、物流不動産ビジネスには大きな伸び代が見込めると確信し、昨年12月、シューワとイーソーコグループは物流不動産ビジネスを展開する新会社「イーソーコ関西」を設立しました。物流の2024年問題を直前に控え、物流への関心が高まる中、共に〝シン・物流〟(〝物流+α〟の物流不動産ビジネス)を拡大しようと意気込んでいます。

 イーソーコ関西の社長には、シューワの営業推進本部で法人向けの営業を手掛ける笠野英樹氏が抜擢されました。既存事業の顧客サービスやソリューション営業、新規事業の立ち上げまで幅広く手掛け、グループ7社の営業担当者と連携して総合的な提案も行う責任者です。不動産業は未経験ながら熱意は強く、現在イーソーコで実務研修を受けつつ、新会社の基盤づくりを進めています。

 「新規事業に手応えを感じている」という笠野氏は、「イーソーコの物流不動産ビジネスにシューワの各種ビジネスを取り入れることも提案していきたい。例えば、太陽光発電事業などを組み合わせることで、物流不動産ビジネスのソリューション領域を拡げられる」と力強く語ります。

 イーソーコ関西では、関西エリアで空き倉庫と利用ニーズをマッチングする不動産業を手掛けると共に、自社物流網で物流会社のサポートも行います。まずは、今期売上2000万円突破が目標です。また、同社を通じ、〝物流+α〟の物流不動産ビジネスで収益性を高めるビジネスモデルを構築していきます。

 これまで12回、様々な物流不動産ビジネスの萌芽を紹介しました。物流がピンチの今、大きなチャンスが訪れ、ますます存在感を高める物流不動産ビジネスに今後もぜひご注目下さい。

 でむら・あきこ=富山県出身。奈良女子大学大学院修了。一級建築士、宅地建物取引士。不動産コンサルティングマスター。15年より(株)イーソーコ総合研究所代表取締役。著書に『築古[ビル・倉庫]のリノベーション・コンバージョン計画実務資料集』(綜合ユニコム(株)・共著)

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