ひと 制震の重要性広めたい 木造住宅へのオイルダンパー普及を進める日本制震システム専務 吉岡 政志さん
住宅新報 2024年3月5日 号 2面
連載: ひと

木造住宅用の制震装置の販売・配置設計を手掛ける日本制震システムは、ヤマハモーターハイドロリックシステムとオイルダンパーの制震装置「MERシステムクロスタイプ」を共同開発した。車の揺れを吸収し、快適な乗り心地をかなえるサスペンションの技術を建物に生かしたものだ。
一般的にコストが掛からず導入しやすいイメージのあるゴムの制震装置は、倒壊防止を目的としており、大きな変形には効果を発揮する。一方で、オイルダンパーは微弱な揺れから反応し、揺れ始めから効果を発揮するものだという。「(建物は)3センチの変形を繰り返すと筋交い合板が痛むが、その前にダンパーが作動し、地震力を下げることで、建物を損傷させない。衝撃や余震が軽減できるので、(被災後も)住み続けることができる」と力説する。熊本地震では、「(ダンパーを入れた)2階の方が揺れなかった」と話す施主もいたそうだ。
戸建てを手掛けるディベロッパーやビルダーが採用。年間400棟以上の注文住宅を手掛けるアエラホーム(東京都千代田区、中島秀行社長)もレジリエンス性能の強化を模索する中、新築への導入に踏み切った。着々と普及しているようだが、「耐震は広まっている。構造計算をやって欲しいという(住宅会社の)顧客も増えているが、体感的には、オプションで〝制震〟の技術を提供している住宅会社は3割程度なのではないか」と現状を語る。
年初の能登半島地震でも、建物が共振することで、揺れが増幅し、予想外の揺れが発生する〝キラーパルス〟の存在が着目された。「速くて小刻みな揺れに対応するには、耐震だけでは不十分。共振を起こさない技術が必要だが、一方で、〝制震〟は現在の建築基準法では定められていない。(住宅会社には)建築基準法より更に高いレベルを目指してほしい」。(小澤美菜子)






















