広がる物流不動産ビジネス イーソーコ総合研究所 代表取締役 出村亜希子 業界横断で倉庫に可能性 第10回 若い人育て、物流業界に恩返し
住宅新報 2024年1月16日 号 3面
創業100年を超える老舗の物流会社、秋元運輸倉庫の常務取締役である鈴木清氏が物流不動産ビジネスと出会ったのは、バブル崩壊の影響が色濃い1995年のこと。秋元運輸倉庫は東京都港区海岸に約2300坪の自社倉庫を建設中でした。しかし、竣工半年前に、1棟を使う荷主から入庫解約の申し入れが入ってしまいました。この緊急事態に、総務担当でまだ若かった鈴木氏も駆り出されて営業を行うことになったのです。遮二無二営業を行う中、近くの老舗倉庫会社の営業担当だった物流不動産ビジネス創始者の大谷巌一(現イーソーコグループ会長)と知り合い、何とか竣工までに元の荷主に代わるテナントを見つけることができたのでした。
当時、物流営業とは、営業倉庫用に荷物を集めることが一般的でした。荷物を預かる代わりに空間を賃貸する方法を知ったことは転機になりました。また、自社倉庫に限らず他社倉庫の情報もマッチングして不動産収益を得る方法には驚いたといいます。これこそまさに本業の物流にプラスして新しい収益を得る「物流不動産ビジネス」。しかも、ただ不動産収益を追うのではなく、誘致したテナントに本業の物流サービスを提供する流れを作ることで、不動産と物流はWin-Winの関係となり、本業にとっても有効な武器になったのです。情報が引く手数多の時代、やればやるほど成果の上がる物流不動産営業の面白さに目覚め、大谷を始め同世代の各社営業担当と物流不動産ビジネスのための情報ネットワークを構築していきました。
長らくプレイヤーとして活躍し、次第に、物流不動産ビジネスを仕組み化して収益性の高い夢のある仕事とし、物流業界に若い〝人財〟の育成・輩出が使命だと考えるようになりました。そうして16年2月、社内ベンチャーの形で「イーカーゴ」を設立し、代表に就任しました。本業の「物流」と、物流を基軸に不動産その他の収益を得る「物流不動産ビジネス」との二刀流です。当社イーソーコグループも出資して、採用に力を入れるとともに、互いに〝人財〟交流・シェアリングを行うなど、協力して物流不動産ユーティリティープレイヤーの育成に取り組んでいます。























