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スタンダード会員限定24年 住宅・不動産景況感アンケート 金利・物価懸念も前年並み見込む 賃貸住宅家賃「上昇」期待も

住宅新報 2024年1月9日 号 1面

総合
24年 住宅・不動産景況感アンケート 金利・物価懸念も前年並み見込む 賃貸住宅家賃「上昇」期待も

 24年の事業環境については、前年と同程度で推移するとの予想が約7割を占めている。「景気回復の見通しはあるが、物価高騰や金利上昇など不透明な状況」「マイルドなインフレ基調が続きそう」といった不透明感を示す意見がある一方、「オフィス回復に伴うオフィス需要の増大や、ホテル・飲食店舗の業績回復が期待できる」といった前向きな意見もあった。

 また、24年の日本経済(景気)見通しに関しては、「やや改善」と「同様の状況」に回答が集中し、両者の割合も拮抗。昨年は約1割を占めた「厳しくなる」との見方が大きく後退した。

 不動産・住宅市場の全般的な景況についても、約8割が前年同様と回答。「人手不足の深刻化や日銀の金融・財政政策修正による景気下振れ懸念」「国内金利の上昇懸念はあるものの、住宅市場は引き続き好調な推移を見込む」など、金利上昇や物価上昇への懸念はあるものの、住宅・不動産業界は比較的安定した環境でビジネスを進められるとの見方が支配的なようだ。一方、厳しいとの見方をしている企業の回答理由では、金利上昇や価格上昇を理由に挙げている。

 住宅着工戸数の見通しは、80万戸以下が約3割と最も多く、そのほとんどが80万戸の予想。80万~85万戸の間を約半数が予想している。利用関係別では、持ち家、貸家、分譲戸建て住宅のいずれも「横ばい」が約6~7割だが、持ち家は増加予想がなく、厳しい見通しだ。

 ハウスメーカーの受注見通しについては、注文住宅が前年並みを予想しており、省エネ住宅などへの税制などの支援策が下支えとなると見ている。賃貸住宅の受注についても同様に「横ばい」を見込む。

 首都圏の分譲マンション供給戸数の見通しは、3万~3.5万戸未満が約6割で、前年とほぼ同じ割合。内訳でも3万戸予想が多くを占めた。ただ、3万戸未満も約3割を占めており、マンション供給量はやや弱含みだ。売れ行きについては9割強が前年と同程度と見込む。

24年も流通価格は「上昇」へ

 首都圏の不動産流通は、個人・法人とも取引件数が「横ばい」、価格も「横ばい」との回答がいずれも約7割を占めた。不動産仲介の堅調さを反映した回答だが、取引価格に関しては「上昇」が半数を超えており、中古物件の価格上昇は24年も続くと見られる。一方、リノベーション市場は約7割が拡大を予想している。24年のリフォーム・増改築市場の推移も同様に半数以上が「活発化」を見込んでいる。「低調」の予想が少ないのが特徴。活発化の理由として、「新築マンション・戸建ての価格高騰が続き、中古、増築のニーズは高まる」との意見も寄せられている。

 賃貸住宅市場は、空室率は横ばいで推移するとの予想が主流となった。一方、平均成約賃料に関しては「上がる」との回答が約5割を占めた。成約家賃については前年までは「横ばい」が8割を占めていたが、国内の物価上昇が顕著になる中で、家賃の上昇圧力が強まっている。賃借人側も家賃上昇を受け入れる素地ができつつあり、繁忙期を迎え、本格的な家賃相場の反転も期待できる。

オフィス底堅さ続く

 首都圏のオフィス市場については、昨年の都心での大量供給もある程度こなし、今年は供給量が減ることもあり、Aクラス、中小とも大きな変化はないとの見方が支配的だ。Aクラス、中小とも空室率、賃料は「横ばい」との見方が5~6割を占める。ただし、空室率はAクラスで約4割が「低下」と回答し、大規模オフィスに関しては強い引き合いがあるとの見方もある。継続賃料は7割以上が「横ばい」だが、「値上げ」は「下落」を上回るなど物価高騰の影響が覗える。不動産投資市場については、「横ばい」が約7割だった。

 成長が期待できる事業分野についても質問している。最も多かったのは「DX」で、「リノベーション・リフォーム・買取再販等」、「GX」と続く。

 昨年は、「カーボンニュートラル」「DX」「投資」の順だったが、成長分野としてDXや脱炭素化が認識される動きは定着しつつある。

 新年景況アンケート内容と結果(回答56人)

Ⅰ.日本経済(景気)の見通し

 (1)全体的に景気の回復基調が強まる…1.8%

 (2)前年よりはやや改善する…48.2%

 (3)前年と同様の状況が続く…48.2%

 (4)前年より厳しくなる …1.8%

Ⅱ.住宅・不動産市場の全体的な景況

 (1)前年より好転する …5.4%

 (2)前年と同様の状況で推移する …82.1%

 (3)前年より厳しくなる …12.5%

Ⅲ.新設住宅着工戸数(24年度)

1)全国の住宅着工戸数予想は

 80万戸以下=31.8%>80万~83万戸未満=22.7%>83万~85万戸未満=25.0%>85万戸以上=20.5%

2)個人住宅(持ち家)の着工戸数は

 (1)増加する…0.0%

 (2)横ばいで推移する…58.0%

 (3)減少する…42.0%

3)賃貸住宅の着工戸数は

 (1)増加する…18.4%

 (2)横ばいで推移する…73.5%

 (3)減少する…8.2%

4)分譲住宅(戸建て)の着工戸数は

 (1)増加する…2.0%

 (2)横ばいで推移する…57.1%

 (3)減少する…40.8%

Ⅳ.分譲マンション市場(首都圏で想定)

1)24年の首都圏の供給戸数は

 3万戸未満=31.0%>3万~3.5万戸未満=57.1%>3.5万~5万戸未満=7.1%>5万戸以上=4.8%

2)前年と比較して、売れ行きは

 (1)良くなる…2.3%

 (2)同程度で推移する…93.0%

 (3)悪化する…4.7%

Ⅴ.不動産(中古)流通市場(首都圏で想定)

1)前年と比較して、個人・リテール分野の取引件数は

 (1)増加する…13.0%

 (2)横ばいで推移する…80.4%

 (3)減少する…6.5%

2)前年と比較して、法人・事業用・投資分野の取引件数は

 (1)増加する…25.5%

 (2)横ばいで推移する…72.3%

 (3)減少する…2.1%

3)前年と比較して、首都圏の不動産取引価格は全体として

 (1)上昇…55.3%

 (2)横ばい…40.4%

 (3)下落…4.3%

4)前年より取引が活発になると思うものを選んで下さい(複数回答可)

 (1)マンション…41.4%

 (2)戸建て…5.2%

 (3)宅地…3.4%

 (4)事業用・投資用資産…50.0%

5)リノベーション市場(個人住宅)

 (1)拡大…68.9%

 (2)横ばい…31.1%

 (3)縮小…0.0%

Ⅵ.賃貸ビル市場(首都圏を想定)

1)前年と比較して、Aクラスのオフィスビルの空室率は

 (1)低下…37.2%

 (2)横ばい…53.5%

 (3)上昇…9.3%

2)前年と比較して、中小規模のオフィスビルの空室率は

 (1)低下…23.3%

 (2)横ばい…51.2%

 (3)上昇…25.6%

3)前年と比較して、Aクラスビルのオフィス賃料は

 (1)上昇…18.6%

 (2)横ばい…62.8%

 (3)低下…18.6%

4)前年と比較して、中小規模ビルのオフィス賃料は

 (1)上昇…11.6%

 (2)横ばい…62.8%

 (3)低下…25.6%

5)継続賃料(首都圏を想定)は

 (1)値上げ…19.0%

 (2)横ばい…71.4%

 (3)下落…9.5%

Ⅶ.不動産投資市場

 不動産投資ファンド(Jリート含む)など投資家の不動産取得(売買)はどうなると思われますか

 (1)前年より投資活動は活発化する

…22.7%

 (2)前年と同程度で推移する…75.5%

 (3)前年水準より低迷する…2.3%

Ⅷ.賃貸住宅市場

1)前年と比較して、空室率は

 (1)改善する…20.8%

 (2)横ばいで推移する…75.0%

 (3)悪化する…2.3%

2)前年と比較して、平均成約賃料は

 (1)上がる…56.6%

 (2)横ばいで推移する…41.5%

 (3)下落する…1.9%

Ⅸ.ハウスメーカーの24年の受注見通し

1)前年と比較して、注文住宅は

 (1)上回る…5.1%

 (2)横ばいで推移する…64.1%

 (3)下回る…30.8%

2)前年と比較して、賃貸住宅は

 (1)上回る…13.9%

 (2)横ばいで推移する…77.8%

 (3)下回る…8.3%

Ⅹ.リフォーム・増改築市場

 (1)前年より活発化する…56.5%

 (2)前年と同程度で推移する…41.3%

 (3)前年より低調になる…2.2%

Ⅺ. 24年の事業環境

 (1)前年よりも改善する…14.5%

 (2)前年と同程度で推移する…70.9%

 (3)前年より厳しくなる…14.5%

Ⅻ. 特に成長が期待できる事業分野(複数回答)

 (1)住宅…3.3%

 (2)オフィス…2.6%

 (3)商業…0.7%

 (4)物流…5.2%

 (5)開発・分譲…2.6%

 (6)売買・仲介…6.5%

 (7)賃貸仲介・管理…3.9%

 (8)リノベーション・リフォーム・買取再販等…19.6%

 (9)投資…6.5%

 (10)DX…24.8%

 (11)GX…15.7%

 (12)新規事業・その他…8.5%

※なお、未回答については集計に含まず。

アンケート回答者・一覧

 旭化成ホームズ・川畑文俊代表取締役社長▽朝日住宅・初田郁子代表取締役専務▽伊藤忠都市開発・松典男代表取締役社長▽ADワークスグループ・田中秀夫代表取締役社長CEO▽FJネクストホールディングス・永井敦代表取締役社長▽オープンハウスグループ・荒井正昭代表取締役社長▽小田急不動産・五十嵐秀取締役社長▽近鉄不動産・倉橋孝壽代表取締役社長▽コスモスイニシア・高智亮大朗代表取締役社長▽サンケイビル・飯島一暢代表取締役社長▽新日本建物・近藤学代表取締役社長▽スターツグループ・磯崎一雄代表取締役社長▽住友不動産・仁島浩順代表取締役社長▽住友不動産販売・竹村信昭代表取締役社長▽住友林業・光吉敏郎代表取締役社長▽積水化学工業・吉田匡秀住宅カンパニープレジデント▽積水ハウス・仲井嘉浩社長執行役員兼CEO▽センチュリー21・ジャパン・高橋龍二常務執行役員▽相鉄不動産・鈴木正宗取締役社長▽大京・深谷敏成代表取締役社長▽大成有楽不動産・浜中裕之代表取締役社長▽大東建託・竹内啓代表取締役社長執行役員▽大和ハウス工業・芳井敬一代表取締役社長▽中央日本土地建物グループ・三宅潔代表取締役社長▽東急・堀江正博取締役社長▽東急不動産ホールディングス・星野浩明代表取締役社長▽東急リバブル・太田陽一代表取締役社長▽東京建物・野村均代表取締役社長執行役員▽東建コーポレーション・左右田善猛代表取締役社長兼CEO▽トーセイ・山口誠一郎代表取締役社長▽ナイス・杉田理之代表取締役社長▽西鉄不動産・木寺利宗取締役仲介事業部長▽日神グループホールディングス・堤幸芳代表取締役社長▽日鉄興和不動産・三輪正浩代表取締役社長▽野村不動産・松尾大作代表取締役社長▽ハウスコム・田村穂代表取締役社長執行役員▽長谷工コーポレーション・池上一夫代表取締役社長▽パナソニックホームズ・井上二郎代表取締役社長▽阪急阪神不動産・諸冨隆一代表取締役▽フージャースホールディングス・廣岡哲也代表取締役会長執行役員▽プロパティエージェント・村田貴志取締役▽平和不動産・土本清幸代表執行役社長▽ポラスグループ・中内晃次郎代表▽MIRARATHホールディングス・島田和一代表取締役▽ミサワホーム・作尾徹也代表取締役社長執行役員▽みずほ不動産販売・宮本雅弘常務執行役員▽三井不動産・植田俊代表取締役社長▽三井ホーム・池田明代表取締役社長▽三菱地所・中島篤執行役社長▽三菱地所ハウスネット・平川清士取締役社長▽三菱地所リアルエステートサービス・湯浅哲生代表取締役社長▽森トラスト・伊達美和子代表取締役社長▽森ビル・辻慎吾社長▽ヤマダホームズ・清村浩一代表取締役兼社長執行役員▽リストデベロップメント・木内寛之代表取締役社長▽レオパレス21・宮尾文也代表取締役社長

(社名五十音順、計56社・回答56人)

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