要配慮者の居住支援検討会 高齢者の孤独死リスクがネック、制度の簡素化や補助拡充求める
住宅新報 2023年9月5日 号 2面

生活困窮者、高齢者、障害者など住宅確保要配慮者(以下、要配慮者)の居住支援機能等のあり方を検討する国土交通省、厚生労働省、法務省合同の有識者検討会(大月敏雄座長)の第3回が8月28日、航空会館ビジネスフォーラムで行われた。第3回検討会では(1)全国宅地建物取引業協会連合会(岡田日出則理事)、(2)全日本不動産協会(出口賢道常務理事)、(3)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(早野木の美相談員)、(4)全国社会福祉協議会(金井正人常務理事)、(5)全国更生保護法人連盟(稲葉保事務局長)――の取り組みが紹介された。
全日本不動産協会の出口氏は、高齢者については「孤独死」により、(1)特殊清掃や大規模リフォームなどが必要となる、(2)残置物、(3)事故物件サイトに掲載されることによる風評被害――の3つのリスクを抱えていることから、家主側は賃貸住宅の入居を断る心理的阻害要因になっていると解説した。更に入居契約に際しての家賃債務保証会社の審査条件も、「当協会の調査では大手を中心に10社中9社が保証契約に際し必要となる緊急連絡先を親族など個人に限定している。これがあることで契約締結に至らないケースが多い。法人を含め認められれば大きく改善する」と指摘。「セーフティネット住宅提供システムの認知度も低い」と課題を述べた。その上で、行政からの家賃などの各種補助の充実や、居住する高齢者に向けた見守りサービスの拡充の必要性を訴えた。
全国宅地建物取引業協会連合会の岡田氏は、21年に公表された「残置物の処理等に関する契約モデル条項」について、内容を理解している会員はわずか12%弱、条項自体を知らない会員も半数近くいることを挙げ、「手続きの簡素化、国による運用方針の策定などによって利用促進を図るべきだ」と訴えた。更に高齢者の居住を推進する「終身建物賃貸借」についても、「都道府県等の認可、バリアフリー化等の改修要件があることで制度普及の壁になっている」として認可や改修要件などを廃止していくことを求めた。
大月座長は今後、取り組む内容として、(1)要配慮者に向けた居住支援の充実、(2)賃貸人が住宅を提供しやすい市場環境の整備、(3)要配慮者のニーズに対応した住宅等の確保方策――の3点を挙げた。


























