ケーイーアイ・新事業部を発足 権利調整事業を高収益化
住宅新報 2023年8月29日 号 3面
自社企画物件としてシリーズ化
山村社長は「KIND」事業について、「権利調整後、特に利用価値の高い土地などにおいて、少数ながらこれまでにも手掛けたことのある事業形態。全くの新事業ということではなく、主力事業の延長線上にあるものとして、今回その枠組みを明確化した形だ」と語る。
具体的な事業内容としては、まず権利関係が複雑化して有効活用や更新が滞っている不動産において、同社が関係者との交渉により課題を解消して、利用しやすい土地へと再生。これが主力の〝権利調整〟事業だ。
その後、通常は事業用地としてディベロッパーなどに供給するところ、KIND事業は、その土地に自社企画による戸建て分譲住宅や1棟収益マンションなどを開発した上で売却するというものだ。立地優位性の特に高い土地で、権利調整事業の収益性を更に高める狙いのアプローチであり、新事業部立ち上げ以前にも東京23区内で計6案件の供給実績がある。
同社がこの事業形態を本格化した背景には、都心における不動産取得のハードルが上がり続けているという市場環境がある。そのため、自社開発に伴う一定のリスクを考慮した上で、各案件における土地のポテンシャルを更に精査し、収益の最大化を図ることをこれまで以上に重視した結果、KIND事業の立ち上げと本格展開に至った。
加えて、自社企画事業の案件数を増やしていくことで、人材の育成につなげる効果も見込む。山村社長は、「社員には、土台となる権利調整はもちろん、幅広い業務に携わることで多様な経験を積んでもらい、対応力を高めていってほしい。そのため、あえてKIND事業部には専任職員を置かず、兼務の形で運営している」と述べた。
現在の主力との両輪へ
こうした狙いの下、現在はKIND事業部の初案件として、東京都足立区西綾瀬で分譲戸建て物件を販売中だ。更に、品川区や中野区などで計4事業・12棟の分譲戸建て物件を計画しており、案件数からもKINDシリーズへの力の入れようがうかがえる。なお、現在の計画では戸建て物件が主だが、「(権利調整を行った)土地の付加価値向上に最適な企画を選定しているため、土地の条件によってアパートやマンション、ビルなども当然選択肢として検討している」(山村社長)という。
事業環境の変化を受け、権利調整後の土地の活用方法を最適化・多角化していくためにも、同社はKIND事業を今後の注力事業と位置付ける。その強い思いは、事業名称を社名の一部「ケー(K)」の由来である「KIND」と命名した点からもうかがえる。山村社長は、「現在は、これまで以上に自社企画の知見を積み重ねているという段階。しかし将来的には、現在主軸の(権利調整後に)土地として販売する事業と、両輪となる規模へと成長させていきたい」と展望を語った。























