神戸市、空き家対策予算に6.7億円 4年で空き家2400戸解体 7割で跡地活用進む
住宅新報 2023年8月22日 号 3面
神戸市は8月2日、東京・港区でメディア向けの記者会見を開き、同市が取り組む「空き家対策」(東和恵建築住宅局建築指導部長)と「OECM登録を目指した里山保全」(岡田篤環境局自然環境課長)の取り組みを紹介した。
同市の人口は11年をピーク(154.5万人)に減少、現在の人口は150万人を割り込もうとしている。同市は戦後、山麓部を切り開いたニュータウン開発により急速に人口増加が進んだ街である。それが人口減へ転じたことで、今後、空き家も急速に増えてくるとの危機感から、久元喜造市長をトップに全庁で空き家対策を行ってきた。今年度の空き家対策の総額は6億7200万円を投じるという。
同市の空き家は18年時点で、共同住宅が1万5000戸、戸建て・長屋が2万戸の計3万5000戸。空き家率は全国(13.6%)とほぼ同じ13.3%だ。
国の「空家等対策の推進に関する特別措置法」(以下、特措法)では、周囲に危険を及ぼす管理されていない「特定空家」に対して指導・勧告を行えるものとなっている。
同市では、特措法の対象となっていない長屋も指導・勧告の対象とした。更に特定空家の予備軍といえる管理不全な空き家は増えていると見て、指導・勧告の対象外となる空き家についても、早期解決を図るために市独自に改善依頼のアプローチを試みてきた。21年度は指導(101件)、勧告3件に対し、指導に先立つ改善依頼件数は449件。早期のアプローチにより16~22年度にかけ指導、改善依頼を行ったうち約7割が改善されたという。
同市では、また「特定空家」が生じないように、老朽空き家の解体工事を促進する市独自の補助制度を19年度に創設。22年度までの4年間で、この補助制度を活用することで2400戸の解体が進み、今年度は約4億円の予算を投入し1000戸分の補助額を用意している。解体された空き家のうち約7割が跡地活用されている。
このほかにも、(1)空き家の手放し方法や活用方法などを司法書士やまちづくりコンサルタントに無料で相談できる「空き家おこし協力隊」(22年度の相談件数1016件)、(2)空き家を建築家の力で魅力的な施設に活用する事業を22年度より展開(44件)、(3)使われていない空き家と跡地の活用事業者を結ぶ活用相談窓口「すまいるネット」の運用(相談件数は年間約6000件)――などを行っている。(2)の建築家の力を借りた事業では、店舗付き住宅を音楽教室やコミュニティが生まれる「下町で生まれるアーティストと住民の交流の場」に改装し、まちににぎわいを生み出すなどユニークな取り組みが進んでいる。
このほか「OECM登録を目指した里山保全」の取り組みでは、神戸市はSDGsの観点から里山の保全活動を進めている。市内の里山は保護地域以外で生物多様性保全に資する地域(OECM)として、近日中に認定され、世界の保護区のデータベースに登録される予定だ。



























