30年にリート市場40兆円へ 「不動産ID」、ESG投資普及で 国交省
住宅新報 2023年7月18日 号 2面
「不動産ID」は不動産登記簿の不動産番号を基本にしながらも、同番号だけで特定できない場合にも対応できる特定コードを含めた17桁の番号を使用。共通コードのもと官民のデータ連携を促進していく。25年度までには全自治体に導入を図り、不動産取引や空き家情報の把握、防災情報の連携などユースケースの実装に向けた取り組みを進め、28年度からの本格普及を目指す。政府が進める「デジタル田園都市国家構想」の柱の1つだ。
幅広い分野でのイノベーション創出が期待できるだけに、懇談会の中では「長期に運用しなければならない不動産と、情報がチープ化しかねないデジタルの相性は悪いと言われ続け、不動産業界でのDX化の導入は遅かったが25年度には社会実装する」(川口有一郎早大大学院教授)、「施工業務に使う建設部材等までデータ連携が図られればエンジニアリングレポートを含めた鑑定評価に至るまで連携できる。そこまで実現できるかが重要だ」(清水千弘一橋大学教授)、「幅広い産業に活用できるようにしていくもの」(内田要不動産協会副理事長)との声が上がった。
国土交通省の塩見英之不動産・建設経済局長も「DX市場を通じてリートを約40兆円まで拡大させる」と述べ、「不動産ID」を介したデータ連携への期待を示した。
同懇談会ではこのほか、投資を集めるための国際競争力に注目が集まった。民間のシンクタンクによる世界都市ランキングで東京は3位に付け、研究開発、経済力で高い評価を受けているものの、環境・災害リスクで弱みをみせているとし、50年のカーボンニュートラルの実現に向けた着実な推進が必要だと話題になった。また、大幅に増加しているESG投資の中で不動産分野が占める割合が2%程度にとどまっていることを挙げ、この拡大も重要な課題とした。
また、アセットの多様化の動きでは、低未利用地の取引は不動産業、製造業、運輸業共に横ばいで推移しているものの上場企業については増加。更にコロナ禍後は鉄道、ガスのインフラ会社など他業種からのリート化の動きが推進していることが話題となった。建物用途別では住宅、オフィス、商業施設のリート化がなだらかに伸びていく一方で、ここ10年の間で物流、ホテルのリート化が急速に進んだ。



























