ひと 新デザイン指標で〝愛着〟訴求 積水ハウス業務役員デザイン設計部長 矢野 直子さん
住宅新報 2023年7月4日 号 2面
連載: ひと

積水ハウスは〝100年住み継ぐ愛着ある家づくり〟を目指し、戸建て住宅の新たなデザイン提案システム「ライフ ニット デザイン」を開始。デザイン提案の指標を「和風」や「北欧風」といったテイストから、独自の「感性フィールド」に一新すると共に、部材の再編集やコミュニケーションツールの開発などを進めた。
6600もの実物件の写真を紐解き、言語化を進めることで、どの部屋もいずれかに該当する大まかな6つの傾向を割り出し、可視化した。施主が持つ家具やアートなどを聞きつつ見合った〝器〟となる空間や加える小物などを「ルーキーも中堅社員も同様に伝えられ、営業や設計、インテリアコーディネートのクオリティがボトムアップする」と見込む。
3年前に入社以来、デザイン思想の構築に取り組んだ。一方、同社の事業を俯瞰する中、「20年以上前から戸建て住宅の壁紙に、環境に配慮した(樹脂が主原料の)オレフィンクロスを使っていたが、営業担当者の多くは知らなかった」といった課題を見つけ、新たな伝え方などを訴求した。
大学でプロダクトデザインを専攻後、良品計画に入社。「暮らしにまつわる一番身近なものづくり」を志向する一方、「建築をつかさどるのがプロダクトだと思っていた」。その後、かつての伊勢丹研究所でリビングのディレクションを担う中、「住まいはトレンドではなく、定番的に良い〝器〟を提供し、素敵なアートやポップな花瓶といった、その時の気分や好きなものが映える空間づくりを提案したほうが、お客様の〝今の好き〟を体現できるのでは」との思いを抱くようになった。
「ライフ ニット デザインはエクステリアやプランニングなど、全てにつながる」。今後は、賃貸住宅やリフォームとの部材の共有化や、愛着が持てる外観・外壁、街並みの考え方や木との関わり方などの訴求を進めていく。(小澤美菜子)


























