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プレミアム会員限定ニュースが分かる! Q&A インバウンド復活、ホテルの死角とは? 深刻な人材不足が稼働を制限

住宅新報 2023年6月13日 号 12面

連載: ニュースが分かる!Q&A

総合
ニュースが分かる! Q&A インバウンド復活、ホテルの死角とは? 深刻な人材不足が稼働を制限

 友人 少し前になるけど、今年のゴールデンウィークは、どこへ行っても人がたくさんいたね。外国人の姿も本当に多くなった。最近も銀座に行ったら外国人観光客でごった返していたよ。コロナ前の姿が戻ってきたようだね。

 記者 いわゆるインバウンドの復活だね。円安も追い風になって、日本への旅行は外国人からしたらお得感があるからね。デフレで物価が上がらなかったけど、昨年から物価が急速に上がっているのは、インバウンド復活の影響も大きいよ。コロナで苦境に立っていた飲食店の値段が上がったのも、ホテルの宿泊費が上がったのも外国人の観光客の需要が回復した点も無視できないね。

 友人 食事は、値段が上がったとは言え、立ち食いそばやチェーン店の牛丼が強い味方だけれども、ホテルの宿泊費は本当に上がったね。夏休みに旅行でも行こうかと思っていたけど、予約がどこもいっぱいだし、宿泊料金も高いしで結局旅行は早くも諦めたよ。ただ、コロナ前と比べてそこまで外国人が増えた印象はないけど、予約の取りにくさには驚いたよ。ホテルは、コロナで苦しんだ分、反転攻勢をかけると息巻いていそうだね。

 記者 実は、そうでもないんだよ。ホテルの予約が取りにくいのは、インバウンドが回復して需要が高くなっただけではないんだ。

 友人 どういうこと?

 記者 最近は、人手不足が深刻化している。コロナでホテルは大変苦しんで稼働率を大きく下げることになった。人手も要らなくなり、廃業したり、従業員が辞めたりといったことがあったんだけど、今度は急速に需要が膨らんで、今の人員ではホテルをフル稼働させることが困難になっているんだよ。せっかくインバウンドで需要が回復しても、わざわざ稼働率を下げているのが現状なんだ。

 友人 部屋が空いているのに、お客さんを泊められてないということかい? せっかく需要が回復しても、これまで苦労した分を取り戻せないなんて皮肉なものだな。解決策はないのかい。

 記者 即効性がある決定打と言えるようなものは残念ながらなさそうだ。ただ、最近は、DXを活用して、できるだけ人手が掛からないようにしているね。例えば、予約システムを整備して無人でチェックイン・アウトを出来るようにしたり、顔認証システムの導入といったものが挙げられる。また、最近では清掃や配送、警備にロボットを導入するといったことも行われているね。

 友人 なんか味気ないホテルが増えていくってことかい? 高いお金を出して、無人だったり、ロボットに接客されるのも、文字通り人間味が無いよね。ホテルの人からの「おもてなし」もホテルに泊まる楽しみの一つだったのに残念だね。

 記者 もっとも超高級ホテルは、人間が絶対に必要だから、ロボットの導入は裏方の仕事だったり、警備だったりに限られてくると思うよ。高級ホテルにとって人間による上質なサービス提供は、ホテルの付加価値を決める大事な要素だから、ここを合理化するわけにはいかない。

 日本には、海外の富裕層が泊まれるような超高級ホテルが不足していると言われている。実際、今年や来年以降に都心部の大規模な再開発では、高層ビルの上層階に超高級ホテルが入居するケースが目立つようになったしね。今後も大都市部だけなく、地方の観光地で外国人の富裕層をターゲットにしたホテル開発が進みそうだね

 友人 こういった高級ホテルは、どうやって人手不足を解消するのかな。

 記者 さっきも言ったように、生命線のサービスを維持・向上していかなければならないので、人を減らす訳にはいかない。対応策は働く人への待遇改善だね。裏を返すと、それくらいしか手はない。ホテルの供給は今後も増えていくから、ますます人材の争奪戦になるだろうしね。

 友人 これからの成長産業だね。転職しようかな。

 記者 がさつな君が、高級ホテルにふさわしいサービスが提供できるとは思えないよ。友人として別の道をお勧めするね。

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