マンション新時代 第三者管理の展望(上) 担い手問題で導入進む ニーズは二極化 富裕層、高齢化で
住宅新報 2023年6月13日 号 2面
第三者管理(図参照)は、国土交通省が継続的に実施している「今後のマンション政策あり方検討会」の中でも議論されてきた重要テーマだ。管理者は、多くの管理組合においては理事長が選任され、理事会で管理に関する運営がなされているが、近年、理事会業務の負担回避や非居住区分所有者の増加などを理由に、いわゆる管理会社による第三者管理が増加。マンション管理業協会の調査では、22年時点で「管理業務を受託している(「受託検討している」を含む)」とした管理会社は159社で、20年(126社)と比べて約3割増加。更に、同調査では、管理者業務を受託する管理会社のうち、理事会を設置しない方式を採用している管理会社が7割存在していることも明らかとなった。
マンションみらい価値研究所の久保依子所長は、第三者管理は富裕層の多い超高層マンションと居住者の高齢化が深刻なマンションでニーズが二極化していると指摘する。「特に前者の割合が大きく、理事会が複雑化している中で、自分のための時間を有効に使いたいという居住者ニーズが背景にある。後者では管理組合の意思決定に時間を要するといった特徴を踏まえ、サービス提供する事業者をいかに信用してもらえるかが課題」と説明する。
指針の整備はこれから
導入メリットは、管理組合の理事就任に伴う精神的負担や時間的負担の軽減、管理組合運営の合理化や意思決定の迅速化など。他方、デメリットにはコスト負担の増加や管理組合運営・維持管理のノウハウが蓄積されないことなどが挙げられる。管理会社が管理者の立場も兼任するため、会計などの面で透明性をいかに確保して区分所有者に納得してもらうかという課題もある。現状では留意点を示したガイドライン等の整備はなされておらず、利益相反に留意した体制づくりや取り組みを各社が模索している段階だ。 次回は、第三者管理サービスを提供する事業者の取り組みなどと共に、理事会業務を「マンション管理のプロ」に任せる選択肢の可能性と留意点を考えたい。 (佐々木淳)




























