古民家宿の物語 日本全国リノベーション (39) 長野県辰野町「なないろ畑」(下) 明確な役割分担で力を結集
住宅新報 2023年6月6日 号 11面

辰野町の古民家は、大屋根の家が多い
自家製米を提供
チームなないろによる宿の運営は、飯田さんが調理担当とお留守番担当をしている。おかみさんとしてこの地区に暮らしているので、駆けつけがすぐにできる。エアビーアンドビーのレビューも飯田さんが良くしてくれたというコメントが多いそうだ。
夜と朝の食事も付けて、なるべく季節の料理など、自分たちや知り合いが作った自然野菜を使う。お米も自分たちで育てたものだ。なるべく地産地消を目指し、無農薬のものを提供している。卵は、近くに平飼いをしている若い男性がやっている養鶏農場があり、それを使っている。
3人でその都度メニュー会議をする。「今度のお客さんはこういう人が来るから、こういうのを入れたものにしましょう」と話し合い、ゲストにアレルギーなどの食べられるもの食べられないものを聞いてメニューを確定させる。
素朴さが外国人に人気?
富裕層中国人のゲストが来た際にはビックリしたという。里山の田舎に、細い道を通って「ロールスロイス」でやって来たのだ。外国人ゲストになぜここに来たのか聞いてみたところ、掲載されている写真が気に入ったとのこと。田舎の素朴な雰囲気が隠れ里のようで、普通の集落こそが人気なのだろう。他に夏は家族連れが多く、近くで川遊びや手軽な山に出かけたりする。
のどかな景色を残したい
鎌仲さんは広報担当だ。「関東から辰野町に戻ると、空気が美味しいし、太陽の光が違います」という。
一方で、ここの暮らしで気になっている点は、太陽光発電が増えていること。次の作品のヒントになっていて、開発のやり方に懸念を抱く。格別の観光資源が少なく、美しい風景だけが魅力なのに、太陽光パネルが増殖している。投機目的だから転売されて持主が曖昧な場合もあり、20年後使えなくなった時にしっかり処分してもらえるかどうか。古民家の縁で、町役場にパイプがあり、鎌仲さんは太陽光発電の乱開発のリスクを訴えている。
多様なよそ者人材によって、辰野町は、次のステージに向かおうとしている。
宿=「なないろ畑」
住所=長野県上伊那郡辰野町
ウリ=信州の里山で暮らし体験ができる






















