不動産建設データ活用推進協会が始動 データ活用のエコシステム構築へ 企業マッチング、人材育成に注力
住宅新報 2023年4月25日 号 2面
桜井氏は、不動産テック企業等へのベンチャー投資やコルサルティング事業を行うデジタルベースキャピタル代表パートナーでもある。同協会設立の狙いについて「不動産および建設業界はほとんどの生活者に密接な重要産業であり、巨大市場だ。22年5月の改正宅建業法の施行で不動産取引の電子化も全面解禁され、国交省ではBIM、プラトー、不動産IDという3大デジタル施策も動き出した。各社のビジネスモデルの変化や機運が高まってきた今、企業間のマッチングも含め、データ活用のあり方や一定のルールやあり方を議論する受け皿が必要」と説明する。ゼネコンやディベロッパー等ではデジタル人材の採用への関心も高く、業界内の人材を育成すると共に、業界内外への発信により、人材獲得につなげていく狙いもある。
理事には、西村依希子オープンハウスグループ社長室や野口真平イタンジ代表取締役社長執行役員CEOらが名を連ねる。顧問の青木由行氏(前国土交通省不動産・建設経済局長)と桜井氏は6年前から事業を通して縁があり、志を共有。23年以降、急ピッチで設立準備を進め、4月3日の協会設立に至ったという。
会員種別は一般、特別、賛助の3種類。大手建設会社や不動産ディベロッパー、地場不動産会社、家賃保証会社など一般の個人・法人にサービス提供をする事業者は一般会員とし、業界団体や地方公共団体等が賛助会員となる。また、スタートアップやIT企業など、システムを提供するベンダー企業は特別会員とし、特別会員のみ年会費20万円を徴収する仕組みだ。
4月の設立時点で60社以上が入会申し込みおよび入会意向を示し、一般会員では東京建物やパナソニックホームズ、特別会員ではアットホームやゼンリン等が入会。設立初年度は会員100社を目標に掲げる。また、国交省および内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局が政策アドバイザーとして関わり、活動をサポートしていく。なお、桜井氏はスキーム等について金融業界で22年6月に設立され、100社を超える金融機関、スタートアップ、IT企業が参画する金融データ活用推進協会(FDUA)の座組みを参考にしていると述べ、FDUAとのイベントや勉強会などで連携していく予定としている。
第1弾は「API連携委員会」
具体的な活動は、データ活用事例プレゼン等のイベント開催や、デジタル人材研修プログラムの実施を予定。桜井氏は人材育成においては「インプットにとどまらず、アウトプットが重要。一般公募型のデータコンペとして業界内外のエンジニア等の参加を促すことで、不動産、建設業界に関心を持つデジタル人材の獲得にもつながる」と話す。
「空き家バンク」や「脱炭素・カーボンニュートラル」など、特定のテーマに特化した委員会も設置する。具体的な内容は7月以降となるが、まずは不動産オンライン取引において各社が持つデータの適切な連携に不可欠なAPIの連携に関する委員会が始動する見込みだという。
桜井氏は同協会(PCDUA)について「会員各社が持つデータの提供を要求するものではなく、政策提言等を目的とした団体でもない」と説明。様々なプレーヤーの橋渡し役を担う協会として、会員同士が互いのニーズ、アイデアを出し合っていくスタンスを強調し、将来図については、「会員間で不動産建設データの活用ビジョンについて議論し、その絵姿をアウトプットしたい」との考えを示す。




























