創刊75周年記念企画 SDGsから見通す新たな不動産業の形 持続可能な街づくりへ
住宅新報 2023年4月18日 号 3面
住宅・不動産関連業者の事業活動は、開発・流通・管理など、ほとんどあらゆる分野で各地域と関わり、その後の街の姿に影響を与える。そのため、SDGsとは言わずとも、多くの事業者は街づくりの一端を担う意識を持って事業を行っていることだろう。
そうした中でも、特に山万(東京都中央区)は千葉県佐倉市の「ユーカリが丘」で、長期にわたって持続可能な街づくりに取り組んでいる。住宅の供給量を一定に保ち、居住する世代が偏らないよう人口バランスを保っているほか、保育園や高齢者施設、商業施設なども人口動態に応じて計画的に行っている。
住宅や施設などの開発だけでなく、交通や通信網など街に必要なインフラの整備にも携わる。更に、様々なイベントの運営や防犯・防災活動など、ソフト面での街づくりも継続的に実施。これらの取り組みの結果、次世代である子供の数も増え続けており、「住み続けられる街」を体現した地域を構築している。
また、地方の住宅事業者が他地域で新たに「持続可能な街づくり」に取り組む事例も現れている。愛知県長久手市の住宅メーカー・WELLNEST HOMEは、北海道ニセコ町で新たな「SDGs未来都市『ニセコミライ』」の街づくりに携わっている。
同街区は、官民共同出資による街づくり会社・ニセコまちと連携し、同町の市街地に隣接する約9ヘクタールの計画地に、最大400~500人程度が居住する新たな街区を開発するもの。環境・経済・社会の課題対応を軸としており、環境性能の高い賃貸・分譲住宅を建築するほか、街区内にはEV主体のシェアカーを配備するなど、環境負荷低減を重視した開発を進める。
加えて、「地域経済の循環」「安心して住み続けられる地域コミュニティの形成」といった要素の実現も目指している。こうしたコンセプトが評価され、同街区の構築事業は18年度「自治体SDGsモデル事業」(内閣府)にも選定されている。
ハード・ソフトの両面からSDGsに一体的に取り組んでいく手法は、ここで挙げた双方の事例において共通している。既にSDGsに取り組んでいる企業も、先行事例を参考にアプローチの幅を広げることで、より効果的に「持続可能な街づくり」に貢献できるのではないだろうか。
























