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スタンダード会員限定国交省 インスペクション見直し 4つの論点から検討 制度理解、実施効果の強化へ

住宅新報 2023年4月4日 号 2面

政策
  • 国交省 インスペクション見直し 4つの論点から検討 制度理解、実施効果の強化へ

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  • 4年ぶりの開催となった不動産部会

    2 / 24年ぶりの開催となった不動産部会

 インスペクションは、同省の定める講習を修了した建築士が、建物の基礎、外壁など建物の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の状況を〝目視・非破壊〟で調査するもの。建物のコンディションを把握し、買主がより安心して購入の判断ができること、購入後のリフォーム等の見通しが立てやすいといった利点が期待される半面、共同住宅の場合には住戸専有部分だけでなく共用部分も調査対象となること、既存住宅売買瑕疵保険の検査とは別になる点など、消費者等にとって分かりにくい面もある。検査の実施・費用負担者の状況は各国で異なる中、日本では宅建業法の改正により、宅建業者は18年4月以降、媒介契約締結時にインスペクション業者のあっせんの可否を示し、媒介依頼者の意向に応じてあっせんするといった対応などが求められることとなった。

 同省が消費者に行った21年度の調査では、同法施行前からのインスペクション実施率の増加を確認。戸建て売買経験者の約4割が制度を認知していることなどが分かった。他方、宅建業者への調査(22年度)では、一律にあっせん「無」としている宅建業者は74.1%と相当程度存在する一方、8割超の取引であっせん「有」と示す宅建業者も一定数おり、取り組み状況は二極化。消費者側には「早期の契約締結」や「費用負担の回避」といった理由が見られると共に、半数以上の宅建業者が「費用について売主・買主の理解を得ることが難しい」と回答した。同省不動産業課長の三浦逸広氏は「必要な制度として定着が進んでいる」と一定の評価を示した上で、「高額な不動産の売買取引に対して、戸建て平均7万円という検査が安心した選択の一助になるというバリューを示し、更なる定着につなげたい」とした。

 同省では今後の見直しの方向性として、(1)宅建業者の環境整備・実効性強化、(2)インスペクションの意義・効果、(3)類似する調査・検査、(4)共同住宅という4つの論点を掲げる。まず宅建業者によるあっせん拡大、制度の実効性確保のために、例えば、「宅建業者があっせん『無』とする際、媒介契約書にその理由を記載」や「自治体ごとに宅建業団体と建築関係団体の連携を促進・支援」等の案を示した。また、費用に見合う効果や制度の理解・認知を宅建業者・消費者双方に浸透させるため、リーフレット等を更新してインスペクションを実施しないことのリスクやそれを回避する効果を明確化する案を提示。更に建物状況調査と瑕疵保険の検査など、類似する調査・検査の効率的な実施の促進や統一的な名称・呼称の使用検討などを紹介した。マンションにおけるインスペクションの実施拡大に向けては、共用部分については現在行われている既往の調査を活用し、専有部分のインスペクションと併せてその結果を活用する案を示した。

〝誤解〟の解消も

 委員間では、見直しの方向性についておおむね賛同。その上で、消費者への普及・啓発や教育過程での不動産取引の理解促進に向けたアプローチの強化、瑕疵保険とセットにした運用の推進を求める意見も出された。弁護士の熊谷則一氏は「売主、仲介会社の一部には契約不適合の免責規定を入れておけば大丈夫という誤解があり、インスペクション普及の妨げになっているのではないか」と指摘し、トラブル防止に向けた制度の一層の理解促進の必要性を示した。

 同省不動産・建設経済局の長橋和久局長は「5年間でインスペクションの一定の認知と施行状況は確認できた。トラブル防止の観点、更なる制度普及のためにもメリット、デメリットを含め、重要な情報発信は何かを考えて対応していく」と意欲を示した。

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