地価公示業界コメント 開発大手
住宅新報 2023年3月28日 号 3面
コロナ前への回復傾向顕著
吉田淳一・三菱地所社長 地域や用途などにより差があるものの、ウィズコロナの下、景気が緩やかに持ち直している中、都市部を中心に上昇が継続すると共に、地方部においても上昇範囲が広がるなど、コロナ前への回復傾向が顕著となったと見られる。
住宅は、都心の高額物件の需要が引き続き旺盛であり、アウトレットでは、国内需要は引き続き好調に推移し、コロナ前と同水準を維持している。オフィスは、コロナの収束に伴い、業容が拡大している企業を中心に移転検討が活発化しており、リーシングにおいては、都市中心部への需要の底堅さを実感している。
オフィス、前向きな需要増
仁島浩順・住友不動産社長 世界的なインフレと利上げに伴う景気後退懸念など、先行き不透明な情勢が続く一方で、イベント制限の緩和や観光需要の回復など、経済活動の正常化が大きく進展し、コロナ禍脱却を強く意識した1年となった。こうした中、東京のオフィスビル市況も、一進一退の様相が続きながらも、企業の出社率の高まりや採用増を背景に、立地改善の移転ニーズや増床など前向きな需要が増えている。住宅地は、低金利環境や住宅取得支援策などが下支えとなり、希少性の高い都心や生活利便の高い地域を中心に、需要が堅調に推移した。結果、全国的に地価の上昇傾向が顕著となった。
国内外の環境意識高まる
岡田正志・東急不動産社長 今回の地価公示では全国の全用途平均は2年連続で上昇した。昨年までは新型コロナウイルスの影響で地価は弱含んでいたが、アフターコロナをにらんだ人流の回復やテレワークから出社への移行、そしてインバウンドの回復基調などが影響している。地価の上昇地点を見ると北海道、特に札幌市近郊の好調さが目立つ。
中長期的な不動産市場については、足元では国際経済情勢などのマクロ要因などを注視する必要があるが、不動産市況は回復基調が続くだろう。国内外で環境への意識が高まる中、今後の不動産市場では「環境」が大きなテーマになると見ている。
住宅ニーズ多様化に対応
松尾大作・野村不動産社長 今回の地価公示は、コロナ前への回復傾向が顕著となり、上昇率が拡大した。住宅地については三大都市圏・地方圏のいずれも2年連続で上昇し、上昇率が拡大、商業地については大阪圏が3年ぶりに上昇に転じたことで、三大都市圏・地方圏いずれにおいても上昇し、上昇率が拡大した。住宅市場に関しては、用地案件の減少などにより供給が限られる中で需要は引き続き堅調であり、売れ行き好調な状況が続いている。今後は、多様化するニーズを捉えた商品企画や、国産木材の活用など脱炭素に寄与するサステナブルな商品・サービスが更に求められる。
地価動向引き続き注視
野村均・東京建物社長 地価公示は、全用途平均で上昇率が拡大したほか、地方部においても上昇地点が広がるなど、地価の回復が鮮明となった。コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進む中、堅調な分譲マンション市場に加え、底堅いオフィス需要や物流施設需要、再開発事業進展による利便性向上エリアの増加、回復基調にあるホテル・店舗需要、不動産投資市場の好調さなどが背景にあると考えられる。社会経済活動の正常化が更に進めば、利便性が高いエリアの地価は上昇基調が続くと思われる。ただ、先行き不透明な状況が続くものと思われ、地価動向は引き続き注視したい。
地価は堅調に推移と予想
伊達美和子・森トラスト社長 東京都心3区を中心としたプライムエリアにおいては、ビジネス上の利便性のよさに加えて、再開発を通じて、「サステナビリティ」や「ウェルネス」など多様化した企業ニーズに応えた高品質なオフィスの供給も見込まれることなどから、地価は堅調に推移していくものと予想される。
コロナ禍前のインバウンド盛況期に挙げられた問題への対応や、コロナ禍を経て大きく顕在化した人手不足、原材料費・エネルギーコストの高騰など、今こそ観光産業が持つ課題に取り組むべきである。






















