国交省 サ高住制度の展望を議論 高齢者の「自己選択」推進へ 日常生活圏の形成が急務
住宅新報 2023年3月21日 号 2面

ハード面でのバリアフリー構造や安否確認・生活相談サービスの実施等を要件に、11年10月に施行したサ高住の登録制度は28万384戸(22年12月末時点)が登録されている。国は建設・改修費に対する予算や税制、融資での支援を行っており、同省住宅局安心居住推進課の上森康幹課長は、「高齢者の住まいの選択肢の一つとして浸透している。今後はサ高住だけでなく、自宅での生活も含めて、自己決定できる環境整備の推進が重要」と更なる目標を示す。
同懇談会では、「住生活基本計画」に盛り込まれた目標に合わせて、高齢者に対する住まい相談や健康維持の先行事例を共有した。例えば、野村不動産ウェルネスは高齢者の健康寿命の延伸に特化し、生涯の自立生活を目指す住宅「オウカス」の取り組みを紹介。(1)徒歩圏に商業施設や公園・病院等がある「立地」、(2)多彩な共用施設がある「建物」、(3)健康維持・増進を図る「サービス」を特徴に挙げ、大学機関との共同研究で、「入居者は地域在住高齢者に比べて外出・グループ活動に参加する人の割合が高く、5~6年間の推定累積介護費用が6~14%低い可能性が示唆された」(同社)と説明した。
UR都市機構の水野克彦ウェルフェア総合戦略部部長は、14年度から進める「地域医療福祉拠点化」について紹介。生活支援アドバイザーの配置や転倒防止等に配慮した健康寿命サポート住宅の整備、大学生の団地居住と住民主体のNPOが連携した左近山団地(横浜市旭区)の取り組みに触れ、21年度に120団地を形成したとの実績を示した。更に、これらの拠点化施策が入居者の要介護認定率の低減等に寄与している可能性を示唆し、「今後は団地エリアを超えた地域との関係性や居住者の活動の場の提供・支援、暮らし全般の支援が重要になる」(水野氏)との考えを示した。


























