合弁会社「シブヤスタートアップス」の設立など、新興企業の育成支援と地域経済の発展に力を入れている東京都渋谷区で、国際的な〝スタートアップ・エコシステム〟の構築へ向け、具体的な施策の実現に尽力している。当面は、新会社の立ち上げとその事業の具現化に奔走する日々だ。
国内最大級のスタートアップ集積地である同区だが、「(新興企業の)チームが国際的でない点が大きな課題」であり、世界的なスタートアップも輩出できていない。そこで、海外企業向けのビザの規制緩和、オフィスや銀行口座の手配といった実務面から、特区申請等に向けた国や都との交渉まで、国内外の企業が進出・成長できる環境づくりを幅広く手掛けている。
それでも、「海外のスタートアップ集積地と比べ、あまりにも足りない部分が多い。区というスケールのためリソースはどうしても限られるが、既存施策の発展や各所との連携強化をはじめ、あらゆることをやっていかなければ」と強い課題意識を持つ。
そうした感覚は、これまでの実体験で培われたようだ。官民の幅広い業務経験を持つが、これまで最も長く従事したのは米国サンフランシスコの日本領事館。「スタートアップも多い土地柄で、現地ステークホルダーとの関係づくりに取り組んでいた」と語り、同区にもその経験を生かす形で20年に採用され、行政と地域、民間企業等の橋渡し役として力を発揮している。
地域活性化へ向け新興企業の支援を図る自治体は多いが、「表面的な動機ではなく、まず内発的な熱意やビジョンが要。また継続的に取り組む上では、委託に頼りすぎないことも重要」と助言。併せて、国内外の経験から「(地域経済の発展のため必要なことは)自分たちだけではできないことばかり。いかに周囲の人たちを巻き込んでいけるかが成果を分ける」との考えを述べた。(佐藤順真)























