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スタンダード会員限定「自分らしさ」に積極投資 Z世代が賃貸ニーズをけん引 商機はライフスタイル訴求

住宅新報 2023年2月28日 号 1面

総合
  • 「自分らしさ」に積極投資 Z世代が賃貸ニーズをけん引 商機はライフスタイル訴求

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  • 「アットホームであった!」のトップ画像イメージ

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  • 一人暮らしのためのこだわり診断機能

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 アットホームは、10代後半~20代前半のデジタルネーティブである「Z世代」を対象に、ライフスタイルや住まいのニーズに関する調査結果(17~26歳の男女400人が対象)を公表した。タイムパフォーマンスや効率性、流行より自分がいいと思うものを優先するZ世代は7割近くに上るとの結果を受け、同社では「経済不況下で育った生活背景から効率性重視や、失敗を防ぐために口コミやSNSなど事前の情報収集に熱心な面がうかがえる。他方、サブスクなど気になるコンテンツへの支出は必要投資と位置付ける。デジタルネーティブとして情報への感度が高く、本質的な情報を抽出する力が身に付いている」と分析する。

 自分のお気に入りを応援する〝推し活・オタ活〟の実施動向は、インターネット等のデジタルテクノロジーの発展と共に成長した「ミレニアル世代」(27~41歳を対象に調査)が26%だったのに対し、Z世代は49.8%とほぼ倍増。更にZ世代の2割は推し活のためのスペースを室内に確保していることが分かった。また、情報入手方法は「検索サイト」が8割超と群を抜くが、各種SNSサービスが6割超と続く。信頼できる情報収集手段は、「検索サイト」(70.9%)に次いで「インスタグラム」(15.2%)が2位となり、同様の設問に答えたミレニアル世代(2.6%)の約6倍。他者の口コミや評価は行動を起こす際の重要な指標となっている。

 他方、同社が21年に実施した30歳以下への調査では、サードプレイスやデュアルライフといった新しい住まい方へ積極的な関心があることも分かった。これに応える環境整備は企業や学校の方針等に左右されるため実践者数との開きは想定されるが、Z世代の6割以上(64.3%)は「ライフステージに応じて住み替えたい」と回答。ミレニアル世代(52.5%)に比べ11.8ポイント高くなっており、賃貸生活ビギナーへのアプローチは常連顧客を獲得するためのチャンスとなるはずだ。

 「あしたの賃貸プロジェクト」で様々な賃貸事例を取材する住宅改良開発公社住まい・まち研究所の松本眞理所長は、「若者世代の実家は、防音や断熱などの居住性能が従前より向上している。賃貸住宅に転居後、がっかりさせない住宅の質の確保が必要」と指摘する。他方、若年世代の合理的な価値判断については「所有だけでなく、共有や借りることへの抵抗感は従前世代より薄い。住まいにライフスタイルを合わせるのではなく、ライフスタイルに合わせて住まい・場所を選択する傾向がうかがえる」と分析。今後の賃貸事業のヒントとして、参加型賃貸づくりを展開するエンジョイワークス(福田和則社長)や、65歳以上の部屋探しで知られるR65(山本遼社長)のシェアハウス事業に着目。「入居者同士で交流でき、チャレンジを後押しする賃貸住宅には若年世代を引きつける可能性がある」と述べ、共通の趣味や共感が生まれる取り組み等が実現できる賃貸の可能性を示唆する。

接点づくりを強化

 若者入居者へのアプローチは事業単独での重要性はもとより、自社の事業全体にも好影響を与える可能性を秘める。川崎市高津区、東急田園都市線の溝の口駅を拠点に事業展開するエヌアセット(宮川恒雄社長)は、地域戦略が武器だ。近年は賃貸管理戸数を先期に300戸純増し約4000戸と伸ばしたほか、学生等の遠方客が5年間で2倍に増加するなど若い顧客層を獲得している。「社会人7・学生3」の顧客割合という春商戦の仲介取引件数を比較すると、20~22年の1~3月期はコロナ禍でも200~250件と堅調に推移。今期はこれらを上回る活発なペースで、手応えを得ている。

 特に、30歳未満の顧客は、来店前にポータルサイトで目当ての物件を調べ尽くしている点が特徴だという。更に内見は「来店をして営業担当者の提案を求める場合」と「問い合わせした1物件のみを内見する場合」に二極化。このうち後者は増加傾向で、現地集合を望む客も少なくないという。また、賃料や立地条件が良くても、内見時の通電状況や室内のタバコ臭などで却下されるとし、設備面における清潔感等は評価ポイントとなっているようだ。

 同社では、初回面談から内見、申し込み、重説、契約までを一気通貫、非対面で行える「リモートレント」サービスを19年秋に始動。同社営業部長の上野謙氏は「最近はウェブ案内の割合が増えたことに加え、営業精度が上がった」と成長要因を分析する。「営業戦略上、自社の見られ方が重要」とし、公平な接客とサービスの工夫で口コミの拡散を目指す。例えば、同社ホームページ上に掲載するリノベーション賃貸「リノッタ」の物件情報は、ライフスタイルに応じた新生活を想起させる仕掛け。成約済みの物件もカタログ的な効果を生むため、今後、同社で部屋探しをしたいという顧客との接点づくりにも有効とし、「自社ホームページ経由の来店は月に5件はあり、増加傾向だ」(上野氏)。

 東急田園都市線という比較的新しい路線では地主やオーナーも初代が多く、これらの取引による口コミを広げ、管理受託拡大につなげたい考えだ。現在は実験的とするシェアハウス事業でも、〝入居しやすくて退去しやすい〟シェアハウスという特徴を生かしたユニークな物件を手掛けることで、賃貸を検討中とする若年世代に加え、地主への土地活用策の提案とする。上野氏は、「管理受託戸数の増加は、若者世代を呼び込む受け皿。賃貸仲介時のアドバンテージになる」と意気込む。

使いやすさ追求する先に

 アットホームもサービス提供者の立場から若年世代に寄り添う。20年にリリースした部屋探しアプリ「アットホームであった!」は、初めて一人暮らしをする学生や社会人に対するこだわり診断機能や、カップルに対する2人の〝こだわり合致度〟可視化機能を搭載。アプリ内での情報入手を完結させ、好評を得ている。同社は不動産事業者への業務支援も加速。オンライン入居申込システム「スマート申込」は管理機能の契約加盟店数が約1万店に到達し、事業者からは「繁忙期の残業が減った」や「遠方客が一度の来店で対応が完了した」などの声も聞かれるという。

 同社は、前述のZ世代への調査で「最新サービスを導入している不動産会社は信用できる」と判断している点を指摘する。若年世代が教育課程においてSDGsや社会環境活動に取り組む企業へ着目していることにも触れ、ユーザビリティの追求を通して、若年世代とそれを支える不動産会社の事業発展にも寄与していく考えを示す。

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