国交省 省エネ性能表示ルール とりまとめ案「了承」 告示、指針は6月公表へ
住宅新報 2023年2月21日 号 2面

表示ルールのとりまとめ案では、改正建築物省エネ法に基づき、建築物の販売・賃貸を行う事業者による省エネ性能の表示ルールを告示等で定める際の位置付けを整理。同案の中で記す基本的事項の詳細検討を行いつつ、関係主体からの意見を反映するため必要な調整を図る考えとした。
告示については、事業者への勧告等の措置の対象となりうることから、「表示すべき事項」と「その他順守すべき事項」を整理。販売・賃貸の様々な取引形態がある中、表示の場面で共通的に必要な事項を示す。
「表示すべき事項」では、省エネ性能を多段階評価で示すと明示。住宅については外皮性能(断熱性能)と一次エネルギー消費量の性能、非住宅建築物については一次エネルギー消費量とし、それぞれ評価年月日を記す。なお、エネルギー消費性能の多段階評価は省エネ基準からの削減率に応じた段階を設定することとし、再エネ設備の設置の有無によって表示を分ける方針だ。住宅の外皮性能の多段階評価は、既存建築物においても本制度の活用が促進されるよう、断熱等性能等級1~7の各等級に相当する7段階を設定する。
表示の方法は、消費者等が容易に建築物の省エネ性能を比較できるようにするため、国が様式を定めるラベルを用いる。再エネ利用設備や第三者評価のある場合などはラベルに付加できることとする。
既存規約等との整合性配慮
ラベル表示は、販売・賃貸の広告を行う場合、行わない場合に分類。前者での対象広告は、不動産の表示に関する公正競争規約と適用対象と整合させる観点から今後指針でその解釈を記す。広告を行わない場合には、事業者のホームページ等でのラベル掲載を必要とする方針だ。
「その他順守すべき事項」では、多段階評価が低下する建築物の仕様等の変更が生じた場合の対応を明記。加えて、既存建築物についてはその対象を「本制度施行以前に新築された建築物」とした上で、先述の「表示すべき事項」に示す限りではないと整理。代替表示の内容については追加的検討などの上、指針で示すこととしている。
指針で追加的対応
指針には、具体的な性能値や住宅の「目安高熱費」など制度運用に当たって消費者等に対する追加的な情報提供や、告示事項の解釈を明記する。建築時に省エネ性能を評価していない既存建築物については、追加的検討・整理を行い、具体的な内容を指針に示す。共同住宅や複合用途の建築物における表示、販売・賃貸対象となる住戸が未定の段階で広告を行う場合の対応などについても、望ましい運用のあり方を検討し、指針に記す方針だ。
同制度の円滑施行に向けた留意事項として、広告等の実務を踏まえて既存の規約・指針等と整合を図ること、関係事業者への準備期間の確保、消費者へ積極的周知を行うための環境整備などを明記。建築物省エネ法上の表示の努力義務を負う販売・賃貸事業者と、その者から委託を受けた媒介業者・広告業者との役割分担を明確にするため、各関係主体が担う役割を指針の中で具体的に示すとした。
特に「関係者の責務、役割分担を明確にすべき」との指摘はパブリックコメントおよび2月10日の有識者会議でも複数委員から示されており、今後の指針作成の動向に注目が集まりそうだ。
同省は告示、指針の作成を進め、夏以降に指針を用いた事業者向け周知と、消費者への理解促進に努めていく。


























