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スタンダード会員限定ひと 売買市場と資金調達に注視 ムーディーズ・ジャパン コーポレートファイナンス アナリスト 西尾 稜平さん

住宅新報 2023年1月31日 号 2面

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政策
ひと 売買市場と資金調達に注視 ムーディーズ・ジャパン コーポレートファイナンス アナリスト 西尾 稜平さん

 大手が主力とするオフィスビル。賃料下落が止まらない中での価格の高止まりに違和感も聞かれるが、「二極化が進んでいる結果であろう。スペック、立地性で競争力の高いビルが取引価格の平均値を押し上げているのでは……」とみる。同社の格付け先について、三井不動産は有利子負債残高が4兆円を超えて過去最高水準にあって投資家から懸念されていた。「1年前であれば懸念材料だったが、ニューヨーク・ハドソンヤード地区再開発の収益貢献が始まっており、東京・八重洲ミッドタウンの本開業が控えている。投資成果が出始めると共に国内のコロナ関連の制限が緩和されるなど、業績にポジティブな材料が増えてきている」と述べる。三菱地所は開発中のトーチタワーに注視する。「従来の保守的な財務方針を継続することを前提に格付け見通しが安定的になっているものの、竣工が27年度と先であるため格付けにすべて織り込み切れていない」とも話す。施工費用や資材価格、労務費が上がり、ゼネコンとの綱引きが重要だ。コストがオーバーランすれば信用力には下押し圧力が働き始める。

 予期せぬ金融市場の動きに注意を払う必要が高まってきた。日銀が昨年12月に長期金利の変動許容幅を拡大したからだ。今後の金融政策の機微を総裁の発言から感じ取らなければならない。危機シナリオとしては、「急な金利上昇が不動産価格の低迷につながることがリスクシナリオの一つ。例えば負債と時価ベースの資産の比率が大きく悪化する場合、信用力に下方圧力がかかる。一方で、格付先の企業は資産の質も高く、負債調達の大半が固定・長期であるため、金利上昇への短期的な耐性は高い。不動産売買市場や不動産企業の資金調達環境の動向を今まで以上に注視していく必要がある」と話す。

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