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スタンダード会員限定社説 日銀・金融緩和の縮小 利上げタイミングは適切か

住宅新報 2023年1月17日 号 2面

政策
社説 日銀・金融緩和の縮小 利上げタイミングは適切か

 果たして利上げのタイミングは今なのだろうか。昨年末に日銀は意表を突く形で金融緩和の縮小に踏み切った。金利のない世界を終わらせようとするサインだと受け止めて、市場は23年中にもう一段の利上げを織り込んでいる。日銀が修正した長期金利の上限0.5%には半月で上限に達した。金利上昇は分譲住宅市場にとって痛打となる。日銀の金融政策が焦点だ。長期金利の変動幅が0.5%に拡大したものの、短期金利に変更はなくマイナス金利政策も継続し、長短金利操作(YCC)は続いている。長期金利に連動する固定型の住宅ローン金利は上昇基調を強めているものの、短期金利に連動する変動型の住宅ローン金利はゼロ近辺に張り付いたままだ。足元では購買意欲を減退させるような水域ではないが、仮に日銀が短期金利の政策も修正し、マイナス金利を解除することになれば住宅ローンの変動金利も上昇に向かう。固定・変動とも金利が上昇すれば分譲住宅市場は総崩れ。これまで低い金利が一般的な消費者の住宅取得を促してきただけに、金利上昇で新築・中古とも売れずに販売価格も下落局面に転じる。

 働く人の賃金は上がっていない。その中で欧米に比べインフレ率が緩やかとはいえ、生活にかかるコストは切り上がっている。可処分所得は減り続けるばかりである。建設や運輸、新電力会社などを中心に企業倒産が目立ち始めた。ロシア・ウクライナ情勢を受けてエネルギー価格など原材料費が高騰し、コスト高を吸収しきれずに採算が悪化して倒産する企業は増えそうだ。東京商工リサーチによれば、昨年11月まで8カ月連続で倒産件数が増えている。コロナ禍での資金繰り支援であるゼロゼロ融資(実質無利子・無担保)の元金返済もこれから本格化する。世界経済の景気後退も見込まれており、日本経済も巻き込まれる公算が大きい。不況下での金利上昇は最悪のシナリオだ。

 日銀・黒田総裁の任期(4月8日)までに残す金融政策決定会合と新総裁がYCCやマイナス金利などの金融政策で政府とどのようなアコード(合意)を結ぶのかに注目が集まる。最大の関心事だ。

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