省エネ性能表示、販売・賃貸時のルール策定へ 分かりやすさ、使いやすさ追求 来春公布、24年4月施行目指す
住宅新報 2022年11月29日 号 2面

改正法では、すべての建築物(販売・賃貸が行われるもの)を対象に、建築物の販売・賃貸を行う事業者を「表示を行う者」と明示。表示に関するルールについては国土交通大臣が告示で定めることとし、同改正法の公布日から2年以内の施行としている。同検討会では中城康彦明海大学不動産学部教授を座長とし、弁護士やポータルサイト運営者、学識者等で構成。省エネ性能表示が持続可能な社会に寄与するため、具体的な表示ルールを策定する。
22年内に検討事項を整理した上、意見公募を行い、来年2月に表示ルール案をとりまとめる方針。24年4月の施行予定とし、関係事業者への周知やポータルサイトの改修期間等を考慮し、23年春(4~6月ごろ)には関連告示を公布する見通しだ。
同検討会の始動に当たり、同省の塩見英之住宅局長は、「脱炭素社会の実現に向けて、改正建築物省エネ法に伴う様々な施策を展開していく上で、表示制度は重要な柱になる」と明言。更に「消費者の意識・関心を高め、省エネ性能の高い住まいが選ばれる環境を整備する施策が重要。消費者の行動変容を求めるにはより分かりやすく魅力的で、事業者にとっても取り組みやすい仕組みでなければならない」と述べ、検討会での活発な議論を呼び掛けた。
第1回検討会では、表示ルールについて議論した。事務局では、省エネ性能について表示すべき事項として、「いつ、どこに」「何を、どのように」示すかについて論点および検討の方向性案を提示した。例えば、一次エネルギー消費量については多段階表示とし、25年度の省エネ基準適合義務化や30年までのZEH・ZEB水準への引き上げ方針を踏まえた分かりやすい設定方法とする案を示した。
伝達経路の整理を
このほか、委員やオブザーバーによるプレゼンテーションも行われ、分譲戸建て住宅・賃貸住宅における省エネ性能表示の活用状況や、マンションとオフィスビルにおける省エネ性能表示の活用事例等が共有された。
スーモ編集長の池本洋一委員は、省エネ性能表示の浸透促進を担うポータルサイトとしての役割を挙げ、「新築、賃貸、既存住宅売買など複数の伝達パターンが想定される。どこがボトルネックとなりやすく、いかに打破していくかの議論が大事」と述べ、事業者・仲介会社・ポータルサイト等が一体となって取り組む必要性を強調した。
将来の拡張性も視野
委員からは「省エネと再エネの表示は分けて表示すべき」や「部分的な改修に関しても何かしら評価される形が望ましい」といった声のほか、「新築、既存建築物を同一の段階表示で行うと星の数が膨大になっていく。将来の拡張性を含めて検討を」との意見も出された。オブザーバーとしてプレゼンテーションをした不動産協会は「事業者の現在の業務フローとコストにおいて過剰な負担とならないことが肝要。買主・借主側の物件選択の動機付けとなる政策支援も検討してほしい」との意見を示した。
次回は12月21日、表示ルールの素案が示されると共に、施行に向けた環境整備の進め方について議論する予定だ。


























