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スタンダード会員限定本紙調査 価格高騰で軒並み増収 富裕層、投資物件が好調 22年度上期 実需の購買意欲は鈍化 売買仲介実績

住宅新報 2022年11月29日 号 1面

総合
本紙調査 価格高騰で軒並み増収 富裕層、投資物件が好調 22年度上期 実需の購買意欲は鈍化 売買仲介実績

 手数料収入ベースでランキング化したところ、トップは業界最大手の三井不動産リアルティグループとなった。取扱高と取引件数が前年の同じ時期を下回ったものの、リテール(個人)向け仲介での取引単価が上昇した。2位は東急リバブルがランクイン。ここ数年、住友不動産販売を抜いて2位に食い込むことが増えてきたが、東急リバブルの太田陽一社長は、「営業拠点網を強化していることと、リテールのみならず、ホールセール(法人取引)の好調などが手数料収入の増加につながっている」と話す。同社では上半期ベースで取扱件数と手数料収入は過去最高を記録した。「首都圏ではリテール取引で1億円超の取引が増加した」といい、実需にとどまらず収益物件狙いの投資家層の需要を取り込んでいる。

 住友不動産販売は3位だった。店舗数が前年同期比で21店舗も減少した。同社では、「近隣店舗の集約を進めて店舗の大型化を図っているためだ」と説明する。

 野村不動産ソリューションズは、個人・法人とも単価の上昇が取扱高と手数料収入に大きく寄与した。特に「都心高額帯の取り扱いが好調。富裕層に特化した専門店『REALIA(レアリア)』が東京を中心に好調に推移した」と話す。レアリアは都心のハイグレードマンションを専門とする組織として昨春に立ち上げたブランドだ。居住用はもちろん、投資用や相続対策など多様なニーズに対応する。その効果が現われ、取引の平均価格は前年同期比63%上昇して1億5000万円超となった。今後の店舗展開についても増やすとしている。

 富裕層は各社の稼ぎ頭だ。リストインターナショナルリアルティは「高額帯の都心・リゾートが活発だ」と話す。

小田急不動産は、「一棟アパート・マンション等の事業用不動産の取り扱いが都心を中心に増えた」ことが奏功した。 銀行系仲介3社も手数料収入を増やし、いずれも二桁増加となった。三菱UFJ不動産販売は約25%増となり、平均取引価格は30%アップした。みずほ不動産販売は「1件当たりの単価向上により売り上げが増加。コロナ禍で様子見基調だった事業法人、資産承継など富裕層は市場価格を受け入れて活発化した。旺盛なプロの購入意欲と相まって案件の大型化が進展したことが大きい」と説明する。

取扱件数は減少傾向に

 各社とも「コロナ禍の影響はない」との見方で一致する。大和ハウスグループは、「実需・投資とも流通しており、成約までのスピードは速かった。単価に落ち込みは感じられず全体的に上昇し、売り上げにつながった」と話す。三菱地所ハウスネットでも「大型案件の取引が好調だった」ことが単価上昇と相まって手数料収入は2割以上の伸びだった。ただ、売買仲介件数は減少傾向が浮き彫りとなった。住友林業ホームサービスは「市場全体として仲介件数は今後減少していくものと思われる。ただ、首都圏や都心などのエリアは取引が堅調に続く」とみている。

 関西地盤の福屋不動産販売では、「買い情報の反響は減少傾向になっており、売り情報の反響は増加傾向にある」と足元の市況感を説明する。近鉄不動産は、「販売価格の高止まりにより、消費者の購買意欲が鈍っている」という。同社では手数料収入、仲介件数、取扱高のいずれも前年上期実績を下回った。

 阪急阪神不動産は「期初から査定依頼件数の少ない状況が続いたことで、競合他社との媒介取得競争が激化した。これにより、媒介の取得件数と在庫件数が前年上期を下回った」ことが上期に推進力を欠いた理由だとする。収益力の強化につなげるため、店舗出店戦略は増やす方向だ。福屋、近鉄、阪急阪神の関西勢はいずれも今後の出店戦略について増やすとしている。

各社で試される推進力

 富裕層向けと並び事業用不動産に軸足を置く仲介会社を見ると、三菱地所リアルエステートサービスは、「大型案件の件数と成約数が増加してコロナ前を上回る業績に回復している。投資需要は変わらず堅調で、売り時とみている投資家も多く、資産を入れ替える動きも市場の回復をけん引している」と指摘する。東京建物不動産販売の平均価格は、前年上半期比5割増しと2億円に迫る水準となった。

 中央日土地ソリューションズは、「投資用不動産の取引を中心とした大口案件の成約が貢献したことで、収入・件数・取扱高とも増加した」と話す。ただ、取引価格は平均3億円と前年上期よりも1割減らした。「プロ系が建築高騰と高値売却といった時勢に対応し、当初計画を見直して売却するケースが見られた。一般事業法人では、遊休地や地方物件の売却・活用事案が多い」と指摘する。

 前述のリストインターナショナルリアルティは、「価格高止まりで購入の反響は減少し、売却ニーズが増加している。売り手市場の状況だが、来年以降、(生活に直結するような)原価アップや金利等の引き上げがあれば潮目が変わる可能性もある」と警戒感を高めている。

 都内の電鉄系を見ると、相鉄不動産販売と京急不動産は手数料収入を増やしたが、京王不動産は減少した。「新築戸建てを含めて売り物件の枯渇と価格高騰が続き、消費者の購入意欲に昨年ほどの勢いがみられない。問い合わせも減っている」(京王不動産)。

    (記事6面に続く)

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