「令和時代の賃貸ビジネス」 ~コンサルタント沖野元の視点~ 第14回 戸建て賃貸が決まりやすい理由
住宅新報 2022年11月22日 号 20面

前回に引き続き、戸建て賃貸についてである。
私の会社でも戸建て賃貸の管理をしているが、アパート・マンション(以下アパマン)などの集合住宅に比べて決まりやすい。今回はその理由について考えてみたい。
よく言うのだが、戸建てはただ戸建てというだけで差別化されている。というのは大半の賃貸物件がアパマンといった集合住宅だからである。それらの集合住宅と比べて戸建てが優れている点についてまとめてみた。
◎ ◎ ◎
◇独立している
戸建ては独立しているためアパマンのように接している隣の部屋の騒音に悩まされることはなく、逆に自分たちの子どもが騒いだ場合もアパマンのように隣や下階を気にする必要はない。このように独立していることで騒音の問題から解放される。
◇車が置ける、ペットが飼える、楽器が演奏できる
もちろん、これらが可能かどうかは物件による。オーナーの考え方によっても違うだろう。ただ、もしこのうちの2つが可能であればそれだけで相当な差別化になる。
このように戸建て賃貸は借主にとってアパマンにはない魅力が詰まっており、借り手を引き付ける要素となっている。また、戸建て賃貸はオーナーや管理会社にとってのメリットも次のように多数含んでいる。
◇客付けが早い
戸建てには今まで見てきたような様々なメリットがあるため、アパマンに比べて決まりやすい。需要が大きい割には供給が少ないことも影響している。
◇長期入居の傾向がある
戸建てに入居するのは家族が多い。その場合に1年や2年で退去することはまれである。子どもの学校の関係もあり、何かあってもすぐに引っ越すことにはなりにくい。長期入居だと賃貸経営も安定する。
◇管理が楽
戸建て賃貸にもし庭があるとしたら、それは基本的に借り手が清掃をする。そう、戸建て賃貸は定期清掃がいらないのである。
◇築年数がデメリットになりにくい
◎ ◎ ◎
戸建て賃貸の場合、アパマンに比べて築年数だけで判断されることは少ない。築古でもその独立性で借り手を引きつける。
このように戸建て賃貸は物件力があり、供給過剰なアパマンと比べて今後しばらくは賃貸市場における優位性を保っていけるだろう。ただ、だからといってメリットばかりでもない。次回はその点について明らかにしていきたい。
□ ■ □
【プロフィール】
おきの・げん 日大大学院修了。不動産コンサルタント兼不動産系研究者。不動産実務検定講師。リーシングジャパン代表取締役。執筆・講演多数。






















