不動産取引現場での意外な誤解 売買編185 35条の重要事項と47条の禁止事項はどう違う?
住宅新報 2022年11月22日 号 19面
連載: 不動産取引現場での意外な誤解

Q 宅建業法上の重要事項というのは、同法35条のものばかりでなく、47条1号の「重要な事項」も重要事項だという人がいますが、その意見は正しいのでしょうか。
A 正しいと思います。
Q すると、35条違反のケース以外にも重要事項説明義務違反があるということですね。
A そういうことです。なぜならば、35条に列挙されている「重要事項」はいわゆる例示列挙事項といわれているもので、重要事項の内容を例示したものにすぎないからです。それで、宅建業法がその35条1項本文に「少なくとも」と規定しているのです。
Q そうすると、その35条の重要事項と47条1号の「重要な事項」が同じものだということについて、宅建業法はどのように規定しているのでしょうか。
A 宅建業法上は同じものだという規定の仕方はしていません。両者の関係について、47条の「重要な事項」は35条の重要事項を含む広義の概念だと規定しているからです。
具体的には、宅建業法はその47条に35条の重要事項を含めた「重要な事項」について、故意に事実を隠ぺいしたり、不実のことを告げたときは、本条違反になるという規定の仕方をしているのです(同条1号イ)。そのほかにも、売買契約書等の書面に記載すべき事項(1号ハ)や物件の品質、周辺環境なども含めた所在から代金・借賃等の対価の額、支払方法、取引の関係者の資力、信用などについても、47条の「重要な事項」の範囲に含まれるとしているのです(1号ニ)。
Q 随分と広範囲にわたるのですね。
A その通りです。このように、35条の重要事項と47条の「重要な事項」の関係については、47条の「重要な事項」のほうが広い概念だということが分かると思います。それ故に、そのような「重要な事項」を故意に告げなかったり、不実のこと(真実でないこと)を告げるというような悪質な行為者に対しては、47条違反として厳しく処分するとしており(同法65条、66条、68条、68条の2)、更に、それらの行政処分のほかにも、刑事罰として2年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはこれらが併科され、特に法人に対しては最高1億円の罰金が科せられることになっています(同法84条)。
渡邊不動産取引法実務研究所
代表 渡邊 秀男






















