ニュースが分かる! Q&A 政府 空き家対策で検討加速 発生抑制、利活用へ力点
住宅新報 2022年11月8日 号 14面
連載: ニュースが分かる!Q&A
A(デスク) 10月末に総合経済対策が発表された。物価高への対応や社会経済の回復等、生活者に直結する支援と成果が求められるタイミングだ。
B(記者) 住宅・不動産関連では「物価上昇下における省エネ住宅ストック形成に関する新たな支援制度」や既存住宅の断熱リフォームの加速化などの項目ですね。また、地域の稼ぐ力を回復・強化するための観光支援や地域活性化・まちづくりのための施策が関連してきますね。
A 足元の住宅政策ではマンション施策と空き家対策が注目だ。斉藤鉄夫国土交通大臣も会見で再三、両施策の重要性に言及している。
B 前者については、法務省の法制審議会で区分所有法の見直しについて議論が始まっていますが、国交省内でもマンションの実態に即した課題を洗い出すため、検討会が立ち上がりましたね。今年度に管理計画認定制度がスタートしていますが、マンション管理新時代へ向けた関心の高まりが感じられます。
A 後者の空き家対策では、国交省は社会資本整備審議会住宅宅地分科会に「空き家対策小委員会」を設置し、10月25日に第1回会合を開いた。空き家対策を建替え、リフォームと並ぶ住宅政策の3本柱と位置付け、空き家対策の総合的な強化を目指すという。来年1月のとりまとめに向けて集中的に議論が行われる。
B 総務省「住宅・土地統計調査」(18年)によれば、国内の住宅ストック数(約6240万戸)は総世帯数(約5400万世帯)を優に上回る状況です。空き家総数もこの20年間で約1.5倍の849万戸に増加。このうち賃貸・売却用の住宅等を除いた居住目的のない「その他空き家」は349万戸で、20年間で約1.9倍の増加。全住宅ストックに占める「その他空き家」の割合は全国平均が5.6%ですが、10%を超えている自治体もあります。
A 15年の空き家対策特措法施行以降、市町村による空家等対策計画の策定や、保安上や衛生上有害ないわゆる「特定空家等」の除却などの取り組みが進んでいる。一方で、今後の人口減少や高齢化に伴い更なる増加が見込まれることから、空き家の発生抑制や利活用、適切な管理、除却に向けた取り組みの強化は急務だ。第1回会合では、同省の塩見英之住宅局長が良質な住宅ストックの確保に向けた住宅政策として空き家対策の重要性を明言。「早期対応・活用による空き家対策の第2ステージを目指す」と意気込みを示していた。
B 空き家の発生抑制については、譲渡所得の3000万円特別控除といった税制特例が年間1万件近く利用され、来年度の税制改正要望として特例措置の拡充・延長が求められています。一方で、各地の自治体からは「区域を絞った重点的な対策」や「所有者探索の更なる円滑化」「所有者等による管理責任の強化」など制度的対応を求める声も聞かれています。
A 現状のトレンドによる推計では「その他空き家」は349万戸(18年)から30年には470万戸程度に増加する見込みだ。「特定空家等」になる前の対策の重要性が増すことに違いはない。
B 持ち家世帯の高齢化を見据えれば、例えば高齢者施設への住み替えや相続時など家屋が空き家となるタイミングでの対応をどれだけ当たり前にできるか。また、空き家所有者や活用希望者がスムーズに相談・支援を求める仕組みができるかなど、具体策の整備が求められますね。
A 今年10月の「住生活月間フォーラム」のテーマも、既存住宅を活用した住宅循環という内容だった。空き家を含めた住宅ストックを地域の資源として活用、促進していけるのか、今後の税制改正の議論や検討会の動向に注目していきたい。
























