就任インタビュー 不動産適正取引推進機構 青木由行理事長 不動産取引の制度インフラ担う 不断のチェック、必要な進化を
住宅新報 2022年10月25日 号 1面
青木理事長は国土交通省の都市局長や不動産・建設経済局長を歴任し、その後内閣府地方創生推進事務局長としても活躍。同機構について「宅建試験の実施はもとより、紛争の予防・解決やそのための相談対応、宅建システムの運営、調査研究など、その役割は不動産取引の制度インフラの一つだ。行政、業界団体、民間事業者、学識経験者などを集め意見交換する〝場とネットワーク〟の強みを生かし、業界と消費者の期待に応える業務を確実に実行していく」と決意表明。不動産業を取り巻く環境や経済社会の変化を捉えて、「制度インフラとしてメンテナンスを加えながら必要な進化をしていく」と意欲を示した。
また、10月16日に実施された22年度の宅建試験については無事に終了したことを報告。会場運営や試験手数料の値上げ等に理解、協力してくれた関係者へ感謝の念を示した。更に宅地建物取引士については「住宅・宅地を大量に供給する時代から空き家の対策など質が求められる時代に移った。顧客ニーズへのきめ細かい対応、供給側とマッチングを図る役割を担う」とした上で、「近年は受験者が増加傾向だ。コロナ禍で多様な働き方・住まい方が進む中、宅建士は不動産業界の最低限のパスポートとして取得し、更なる取引の質の向上を目指してほしい」と期待を寄せた。
適正取引の推進に関しては「関係者の尽力によって宅建業者のモラルや知見は向上し、紛争トラブルは減少している」と評価。その一方、消費者と事業者間では構造的に知識と経験の差があることに留意が必要とし、「安心感をもって取引できるための環境づくりと、トラブルが発生しても端緒の時点で軌道修正していくことが重要。強みのネットワークを生かしたい」とした。人の死の告知に関するガイドラインや賃貸管理業法、不動産広告など、実務で不可欠な様々なテーマを解説する講演会なども引き続き実施し、業界への周知を図っていく考えだ。
まちづくりや地方創生など、これまでの経験を踏まえ、業界課題にも思いをはせる。具体的には長寿命化に伴う相続人の高齢化や住まいの継承の困難さなどだ。他方、既存建物の改修に携わる担い手の多彩さや不動産テックの伸びしろを指摘し、「不動産業者は空間づくり、場づくりのプロだ。暮らしのデザインという視点では、住宅やその周辺、地域の価値を高める役割を担う」とし、コロナ禍で課題が浮き彫りとなった孤独孤立への対策等にも寄与できると指摘。「宅建業者や管理会社が、建築や金融機関など様々な領域のプレーヤーと関わりながら地域を変えることができる」と不動産取引の意義を強調し、更なる業界発展を展望した。
59歳。座右の銘は「感謝」。趣味はフルマラソン。























