知って得する建物の豆知識 345 混構造 コスト高も様々なメリット
住宅新報 2022年10月11日 号 5面
連載: 知って得する建物の豆知識
住宅や商業建築、オフィスビルなどは一般的に用途や経済性、法規制に合わせて鉄筋コンクリート構造(RC造)、鉄骨構造(S造)、木造(W造)など単構造で作られます、それぞれにメリットはありますが、建築条件によっては異種の構造方式を組み合わせて使う方法、すなわち混構造によって条件をクリアすることができます。混構造は特に目新しいものではありませんが、建築家の故宮脇檀(まゆみ)氏が多用したことで、認知度が高まりました。宮脇氏が主に用いたのはRC造+W造方式で、大きな架構と構造負荷の少ない木造というハイブリッドでした。
RC造+W造方式で得られる第一のメリットはRC造による堅牢性です。RC造は地震や火災、台風や水害に強く大きなスパン(梁間)が可能なので、柱のない大きなスペースを造ることができます。そのため1階をRC造にして無柱の複数台駐車スペースを設けたり、店舗、広いリビングにするプランニングも可能です。2階から上は在来の木構造を採用するため、温かみのあるインテリアや在来の木造外観を求める方には最適です。この方法はRC造によって人工地盤を築造するため、傾斜地や段差敷地にも適しています。
RC造+W造はシェルター方式も有効です。これはRC造によって外殻を構成し、内部をW造にする方法です。外殻には適宜開口部を設けることで、通風と採光は確保できます。外殻はRC造の壁構造によるボックスであるため都市部の住宅密集地域や、耐火構造が求められる地域でも有効です。また、内部木造も垂直荷重をRCに伝達することが可能であるため、構造断面の軽量化もできます。コンクリートは優れた遮音材ですので、騒音の激しい環境で外殻方式は有効です。近隣の騒音が大きかったり、逆にスタジオ的に音響を発する可能性のある住まいにも向いています。























