ニュースが分かる! Q&A 「相続登記の義務化」認知度は3割強 「関心」は過半、周知強化に期待
住宅新報 2022年9月20日 号 18面
連載: ニュースが分かる!Q&A

A(記者) 近所で有名な屋敷に最近、人の気配がしないんです。新築もちらほら建つ住宅地のため、雑草や建物の劣化やらが目にとまって。
B(デスク) 建物の経年劣化もそうだが、居住者も当然年を取っていくからね。高齢化に伴う入院の長期化や相続絡みで対応されないままの建物など、判断がつきにくいケースもあるだろう。昨年4月には、所有者不明土地等の発生予防と利用の円滑化の両面から総合的に民事基本法制を見直すため、民法等一部改正法と相続土地国庫帰属法が成立、公布された。
A 相続した土地のうち国庫に帰属させることが可能な新制度(23年4月施行)や、不動産を相続した場合の登記申請の義務化(24年4月施行)などが順次始まります。
B 関連する所では法務省は今年7月、相続登記の義務化・遺産分割等に関する認知度調査を初めて実施し、9月6日に調査結果を公表した(上表参照)。調査対象は本人、配偶者あるいは親が不動産を所有している20~70代以上の男女1200人だ。
A 調査結果によると、24年4月から、相続登記が義務化されることを「知らない」としたのは約66%。年代別では、「知っている」と答えた人は20代(41.5%)が最も多く、逆に「知らない」と答えた人は40代(75%)で最も多くなりました。
B 相続登記の義務化に伴い、負担の軽い「相続人申告登記」という新しい登記手続きが導入されることについては、「知らない」が約81%に上っている。これは不動産を相続した人が法務局の登記官に対し「私が不動産の相続人です」と申し出て登記してもらう制度。遺産分割協議がまとまらず、3年以内に相続登記をしたくてもできないような場合であっても罰則を科されずに済む方法となる。
A 相続土地国庫帰属制度は相続した土地のうち不要なものを国庫に帰属させることができるものですが、認知度は2割に満たず、「知らない」が約84%。土地が管理できないまま放置されることで、「所有者不明土地」が発生することを予防する狙いですね。
B 新制度を知った方法(複数回答可)については、ニュースサイトや法務省ホームページ等を含む「インターネット」が55.2%で、続く「新聞・雑誌」(26.8%)や「テレビ・ラジオ」(23.6%)、「親族・知り合いから」(23.0%)などの2倍だ。
A 新制度への関心度については、不動産登記制度が変わることに「関心がある」と答えたのは約57%で、「関心がない」(31.7%)、「分からない」(11.8%)を引き離しているのが特徴的。認知度は3割強ですが、比較的高い関心が示されていることからも、身近なテーマとして浸透していく可能性がありそうです。
B 相続土地国庫帰属制度への関心度は全体で約44%とやや劣るものの、年代別では、30代が49.5%で最も関心が高い。また、いずれの世代も4割以上が「関心がある」としている。
A 不動産登記手続きに関する新制度の内容については、「インターネットで記事・動画を閲覧する」が72.3%で最多。続いて、「市役所等の自治体に聞く」(38.8%)や「法務局に聞く」(29.3%)の順。今後手続きをすることとなった場合の対応では「自ら手続きを行う」(41.0%)、「専門資格者に相談する」(40.0%)との回答が多くなっています。
B 相続手続きに関する情報入手方法や相談先として、役所や専門家が上位に挙げられていることからも難易度の高いテーマであると推察されるね。ちなみに、相続手続き全般の相談先では、不動産会社は11.3%。これは自治体や司法書士等に続く6番手。消費者への認知度向上の取り組みの中で、その割合をいかに増やせるか注目したいね。






















