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プレミアム会員限定不動産取引現場での意外な誤解 賃貸借編174 ガレージ部分のある立体駐車場は建物か?

住宅新報 2022年9月6日 号 11面

連載: 不動産取引現場での意外な誤解

総合
不動産取引現場での意外な誤解 賃貸借編174 ガレージ部分のある立体駐車場は建物か?

 Q 前回、戸建ての店舗であっても、1階と2階が構造上独立している場合には、2つの建物として別々に賃貸借契約が締結できると書いてありました。このように、建物の一部であっても、賃貸借契約の対象になるという考え方は、いつ認められたのでしょうか。

 A それは、昭和42年6月2日の最高裁判例によって認められた考え方で、「建物の一部であっても、障壁その他によって他の部分と区画され、独占的排他的支配が可能な構造・規模を有するものは建物に当たる」とされたことによるものです。

 Q ということは、かなり前からそのような考え方がとられていたのですね。

 A そうです。ですから、ひと昔前は、学生向けの「貸し間」の賃貸ということがよく行われていました。もっとも、「貸し間」といっても、専用使用のできるものですから、いわば構造上独立した貸し部屋で、トイレは共用であっても、電気・ガス・水道の個別メーターが部屋別に設置されていましたので、その各部屋が独立した「建物」として賃貸借の対象になっていたわけです(東京地判平成3年7月26日)。

 Q ところで、大都市には「立体駐車場」という機械設備と一体となった建物がありますが、その建物は借地借家法の適用のある「建物」なのでしょうか。

 A そのような建物については、そのガレージ部分が独立した建物であり、その中に機械設備が存在していなくても、「立体駐車場建物」として賃貸借の対象になり得るとした裁判例があります(東京高判昭和62年5月11日)。

 Q ということは、その駐車場としての機械設備と建物部分が別々になっていたとしても、一体として「駐車場用建物」として認めたということですね。

 A そういうことです。一審では別の判断がなされていたのですが、控訴審では、その「ガレージ部分」は、自動車および立体駐車場設備機械を格納し保護するものであって、それ自体有用なものであり、「車路部分」は自動車が出入りするために必要不可欠で「駐車場管理室」も駐車場営業の管理上必要な施設であり、それらを賃借しなければ本件立体駐車場の営業が成り立たないということから、先程申し上げたような判断になったのです。

渡邊不動産取引法実務研究所

     代表 渡邊 秀男

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