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プレミアム会員限定ニュースが分かる! Q&A 「アクセシビリティ」の考え方とは 誰もが〝つながり〟やすくなる

住宅新報 2022年7月12日 号 12面

連載: ニュースが分かる!Q&A

総合

 同僚A 今月も、げっそりとやせた感じだな。また、上司に絞られたのか。

 同僚B 顧客から、厳しい問い合わせを受けて。先日、開設した物件情報を紹介するウェブページの「使い方が難しい。知りたい情報が見つからない」とお叱りを受けて。

 同僚A 利用方法の悪さに関するクレームか。いくら汎用型でも、どうしても使いづらい人が出てくる。そうした課題感に着目し、最近は〝アクセシビリティ〟という、より広い観点に注目が集まっているようだ。ビジネスシーンで言えば、どのような人でも情報や商品、サービスと簡単につながりやすく、利用できることを意味する。

 同僚B 様々な人にとって利用しやすくするのは、理想の形ではあるけれど。

 同僚A そもそも、アクセシビリティは、IT業界で使われている言葉で、ウェブサイトの情報やコンテンツへの〝アクセス〟のしやすさを指す。

 同僚B 〝バリアフリー〟という観点は、自社も以前から意識しているけどな。

 同僚A それは、少し〝狭義〟な概念だな。〝ユーザビリティ〟という言葉もあり、これも狭く〝使い勝手〟という意味だ。アクセシビリティは、あらゆる場面で様々な人たちが簡単に、情報などへの接点をつくりやすくする設計仕様のこと。高齢者や障がい者などの身体機能に不自由を感じている人に「やさしい」だけでなく、健常者にも利便性をよくする概念だな。

 同僚B あらゆる場面や様々な人に対応するのは、相当にハードルが高いな。

 同僚A 俺たちの勤める不動産会社でも、注目してほしい観点の取り組みだけれど。

 同僚B 不動産業界でも。

 同僚A 宅地建物取引業法が改正され、電子書面の交付が解禁された。電子契約サービスの本格的な運用が始まっているだろう。そうした手続きの際に、誰もがアクセスしやすくする取り組みとしてアクセシビリティを考える。電子書面の交付は国土交通省が運用マニュアルを公表し、電子的な契約締結に際して事前に承諾を得て、相手のIT環境を確認しなければならないとされる。そこから更に踏み込み、そのIT環境をもっとよくする取り組みだ。

 同僚B IT重説を含めてスマートフォンやパソコンで画像などがしっかりと映っているかどうかは確認しているよ。スマートフォンの普及によって、移動しながらでも簡単に情報にアクセスできるようになった。昔と比べれば、ずいぶんと楽になったよな。

 同僚A ただ、不動産契約は多様な人、障がい者や高齢者なども契約の相手となる。そうした際に、アクセシビリティに配慮した便利なツールが市場で普及し始めている。障がい者や老眼などの視覚的に不自由な人のために、視覚以外の方法で情報を提供する手段として、音声読み上げ機能付きソフト「スクリーン・リーダー」がある。また、こちらからの呼び掛けの音声に反応して作動を電気指令する機器や、強い光で知らせる、指先が不自由な人のために端末の「タッチパネル」「ハンズフリー」機能などもあるよな。最近は、動作を検知するセンサーも発達してきた。

 同僚B 不動産会社の最近の傾向として不動産情報ポータルサイトに加えて、今回、自社で開設した、独自のウェブサイトで自社が取り扱う物件の情報を紹介する方法が増えている。企業ウェブサイトでも音声の読み上げ機能や、見分けがつきづらい人のために文字の大きさや色を変更可能にして、コンテンツ自体の工夫も大切になってくるな。

 同僚A 実はそこが悩ましいところでもあるのだがな。例えば、聴力や視力の弱い高齢者など向けに、あらかじめ文字を大きくしておくと、若者にとっては文字が大きすぎて、逆に見えづらくなる。だから、文字のサイズを変更できるカスタマイズの機能がある、ということだろう。何のために搭載するのか、目的を考えて機能を選び、知っておくことが大事だろうな。

 同僚B 誰もがつながりやすいアクセシビリティと、使い勝手のユーザビリティの両方の観点が必要だな。

 同僚A たどりつきたい場所や情報などにすぐに簡単にたどりつけるという観点は、建物も同じだ。従来も段差の解消でスロープ、エレベーターなど「バリアフリー」の概念はある。もっと広くこれをとらえるアクセシビリティのことも考えてほしいな。

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