ニュースが分かる! Q&A コロナ下のマンション管理、相談に変化 「管理規約の解釈」に関心移行か
住宅新報 2022年7月5日 号 12面
連載: ニュースが分かる!Q&A
理事A 我がマンションの理事会も、オンライン開催が当たり前になったなあ。
理事B やってみればスムーズに進むものですね。
A 去年くらいまでは、理事会や総会のオンライン化がかなり話題になっていたと思うけれど、今はあまり聞かないから世間的にも浸透したということなのかな。
B ある程度、普及は進んだのだと思いますよ。6月に公表された、マンション管理センターへの相談内容の21年度まとめを見ると、総会や理事会の運営に関する相談が大幅に減っています。「総会の開催準備(招集、議案書の作成等)」が、19年度の229件・8位から20年度に489件・2位まで急増した後、21年度には175件・11位まで落ちています。また「理事会運営(招集、議長、決議要件、議事録等)」も、20年度の305件から21年度は266件へと減っていますね。
A 20年度には、コロナ下での集会に関する相談が増えていたということだね。
B そのようです。そして管理センターの分析では、21年6月に国土交通省が公表した改正マンション標準管理規約の規定などにより、ITを活用した総会や理事会の開催が明確化されたことが、これらの相談が減少した要因の一つとなったそうです。
A 裏を返せば、IT総会の導入に戸惑っていた全国の管理組合等でも、理解や浸透が進んだと考えられそうだ。それなら、マンション管理に関する相談自体も去年と比べてかなり減ったんだろうな。
B ところが、21年度の相談件数自体は前年度比3.6%増の9814件で、11年ぶりの高水準でした。
A それは意外だな。何がそんなに増えたんだろう?
B 管理センターが要因を明示しているわけではありませんが、相談内容の詳細を見ると、まず毎年一番多い「区分所有法・(標準)管理規約の解釈」が右肩上がりで増えていることが理由の一つみたいです。オンライン総会などに関しては、相談対象が改正標準管理規約の解釈に移ったのかもしれませんね。
A なるほど。
B このほかにも、今回4位の「総会の決議事項」や7位の「管理規約の作成・改正」などがやや増えていますね。IT総会等への具体的な対応を図るための相談もあるのかもしれません。それから順位としては9番目ですが、「長期修繕計画の内容、見直し」に関する相談が前年度の88件から196件へと2倍以上に増えています。
A ははあ。法改正による「管理計画認定制度」や、マンション管理業協会の「マンション管理適正評価制度」の創設を受けた準備で相談が増えたのかな。制度の始動は今年度からだが。
B そうかもしれませんね。加えて、相談されたマンションの築年数を見ると、高経年マンションの件数が増えている点も影響がありそうです。割合として最も多いのは「築21~30年」の22.1%ですが、「築41~50年」が前年度比0.9ポイント増の15.1%、「築51年以上」が同0.6ポイント増の2.0%と、近年じわじわ増えているんです。
A 既存マンションの高経年化こそ、社会課題として浸透してきているものなあ。
B だからこそ適正な維持管理に向けた新制度がつくられて、行政も業界団体も普及や活用の拡大を目指してかなり力を入れているわけですよね。全体についても言えますが、相談件数の増加はむしろ、自分たちのマンションの適正管理や長寿命化に関心を持って積極的に取り組む管理組合や区分所有者の増加と受け取ることもできるのではないでしょうか。
A それもそうか。相談件数が増えたということは、単純に課題やトラブルが増えたという意味ではなく、それに対応しようとする動きが増えたとも考えられるものな。IT総会などは特に、チャレンジしなければ相談する必要もないはずだ。
B 個人的な解釈ですけれどね。いずれにせよ、世間的にもマンション管理・運営への関心と重要性が高まっているのは確かですし、積極的に対応する動きが今後も拡大してほしいですね。
A その通りだ。
B というわけで、我がマンションも次の大規模修繕工事に向けて積立金の月額を上げるべきだと思うのですが、賛成していただけますね?
A それはその、物価は上がるし年金は減らされるしで、即答は難しいかなあ。
B もっと維持管理への関心を高めましょうよ!






















