ワンルーム市場に異変 都心離れ顕著 新規供給 利回り求めて外に活路
住宅新報 2022年3月22日 号 1面
新築ワンルーム供給戸数の変遷を見ると、1990年に1万6633戸を記録し、バブル経済崩壊後は新規供給が大幅に絞り込まれ1万戸を下回る状態が続き、2001年には6756戸まで沈んだ。07年に再び1万戸の大台に乗ったが、リーマン・ショックの影響を受けて09~11年にかけて3年連続で供給戸数が1万戸を下回り10年に再び7000戸台にまで落ち込んだ。90年バブル崩壊後の最高値を記録したのは16年の1万2981戸である。
だが、それ以降は地価高騰と訪日観光客の増加に伴うホテル需要による用地取得の競合が影響して再び減少トレンドに入り、20年には新型コロナウイルスのパンデミックの影響で12年から続いていた1万戸を割り込んだ。東京カンテイ市場調査部の井出武・上席主任研究員は、「21年は速報値で6234戸となっており、最終的に9000戸を下回る水準になる。当社のデータでは、都心部では利回りの低下に賃料が追いついていない。新規のワンルーム供給は郊外化が進んでいる。メガバンクなども同様の見方をしている」と述べ、金融機関は新築ワンルーム購入者向けの融資を渋り始めただけでなく、開発事業者向けのプロジェクト融資に対する警戒感が高まっていると明かす。
長引くコロナ対応が影響しているのは間違いない。単身者が引っ越すのをためらったり、収入減などを受けて賃貸住宅を引き払い親元に戻って家賃を発生させないようにする。親元に戻ればその分、賃貸需要が消滅するのと同じだ。リモートワークなどで広さを求める動きは、ワンルーム業界が最も割を食っている。投資妙味も見いだしづらい。新築の販売価格は平均3000万円ほどで坪単価400万円台の高値圏だ。貸し手の論理としては、家賃を上げないと利回りが悪化する。だが、居住者の家賃負担能力が上がっているわけではない。給与所得は増えていない。むしろインフレ経済下と税負担の増加で家計負担が増しており、家賃の支払いを圧迫する悪循環に陥っている。22年も新築戸数の減少が続くと見られる。単身者は最低でも30m2を求める。飲食店とエステサロンを経営する個人の不動産投資家(女性・50代)は、昨年秋に東京・高輪で30m2台の投資用マンションを購入したところ、「3カ月以上たっても入居者が決まらないので売却した」と狭小面積の不人気を実感した。























