都心の物流不動産 都市型マルチパーパス倉庫への進化 第11回 都市型施設に求められるもの(2) 「持続性」時間軸が持つ価値 (株)イーソーコ総合研究所代表取締役 出村亜希子
住宅新報 2022年2月15日 号 3面

出村氏
様々な用途に使われる都市型マルチパーパス倉庫は、荷物保管にとどまらず、人が利用し交流する施設です。そこでポイントとなるのが、各種災害への備えです。東日本大震災や西日本豪雨、相次ぐ大規模火災などをきっかけとして、安全対策を見直す機運が一気に高まりました。災害には、自然災害も人災もあります。「リスクをゼロにすることはできないが、減らすことはできる」という前提の下、様々な対策が策定されています。
将来へのリスクという観点でいえば、サスティナビリティ(持続可能性)もBCP(事業継続計画)も、現在から将来にかけての時間軸に意識が向けられています。現在を起点に未来に向かうベクトルの上で、将来にわたっての継続性(可能な限り、リスク低減を図る)という共通点があります。今がよければよいというのではない。自分たちの世代が責任を持って、次世代にどう継承していくかということ。そこに価値が認められるのです。ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)も、同じ価値観で論じられることの多い言葉です。持続可能な成長のためにどのような姿勢で臨むべきか、何が必要かという考えであり、「将来を見据えた持続のための施策」という根は同じなのです。
これからの都市型施設には、鳥瞰(ちょうかん)的な広い視野と時間軸を捉える想像力が求められます。あくまで経済性を前提とし、事業を成立させながらも、こうした将来に向けての社会貢献的な視点が新たな価値となるでしょう。






















