ニュースが分かる! Q&A コロナ下でも市場好調な理由は? 余裕生まれた時間と資金
住宅新報 2021年12月7日 号 20面
連載: ニュースが分かる!Q&A
新人記者 住宅・不動産会社の業績が好調ですね。
先輩記者 コロナ下でも住宅が売れているからね。
新人 よく分からないのですが、なぜでしょうか。
先輩 前年上期までは初の緊急事態宣言に伴う外出自粛があったから、仲介店舗も休業や営業時間短縮を余儀なくされ、大方が業績を落としていた。ところが、昨年の夏頃からは徐々に回復し、その勢いが今日まで続いている。普通なら、コロナが完全に収束しない限り、家を買おうというような前向きな気持ちにはなれないと思うのだけど不思議だよ。
新人 21年度中間期の売買仲介実績も全社が前年比増ですからね。
先輩 昨年度比だけでなく、コロナ前の19年度と比べても同水準もしくはそれを上回る企業もあるからね。
新人 先輩はその理由をどう考えますか。
先輩 これだというものはないけど、いくつかの要因が重なっているのだろうね。一つは、なぜ買い顧客が増えているかだが、コロナ下でも所得が減少するようなことには至っていない、というかそのような心配がまったくない中・高所得層はいるということだ。当たり前だよね。大手企業に勤めているサラリーマンや公務員、弁護士、医者などの専門家。そういう人たちの中には、在宅時間が増えて、住宅購入について考える時間が生まれたという背景もあるようだ。
新人 なるほど。大企業のサラリーマンであれば、コロナ前までは帰宅時間は遅かったでしょうね。
先輩 それに、時間に余裕が生まれただけではなくて、資金的にも余裕ができたことも理由のようだ。
新人 どういうことですか。
先輩 コロナで外食や旅行を控えるようになったから、そういうお金がたまったらしい。資金的余裕がある人ほど、そういったレジャーに使っていたお金は大きいと考えられる。〝コロナ貯蓄〟っていうらしいけれど、コロナが長引くほどそうした予期せぬ貯蓄がたまっていくという構図のようだ。
新人 ほかにはどんな要因が考えられますか。
先輩 今の住宅市場をけん引しているのはパワーカップルという高額所得層という話はよく聞くよね。1億円近い高額マンションが買えるのは夫婦共に一流企業に勤めているような人たちだ。それに、2人が別々に住宅ローンを組むと住宅ローン控除の恩恵も大いに活用できる。何しろ年末ローン残高の1%も控除できるわけだからね。借りている金利が1%以下ならまさに逆ザヤだ。とにかく、そういうわけで住宅価格は上昇が続き、取引件数が増えて、1件当たりの価格が上昇しているから不動産会社が史上最高益を確保できるのもうなずけるよ。
新人 企業利益ということでは、オンライン営業やDXによる業務の効率化も今後は大きく貢献しそうですね。
先輩 そうだね。不動産会社の多くが、コロナを機に加速したそうした営業スタイルを、コロナ収束後も定着させていきたいと考えているから。ある流通会社は最初の緊急事態宣言下(20年春)に「オンライン相談」を全店舗・全営業所に導入した。当初は感染防止のための「非接触」が主目的だったけれど、やってみると、以前から課題だった「遠方顧客とのコミュニケーションツール」としても有効に機能することが分かったらしい。その会社は店舗数が多いから、営業的にはかなりプラスに働いたようだ。
新人 業績好調の業界ですが、今後の懸念材料は何でしょう。
先輩 よく指摘されるのが在庫の減少だ。しかし、ここにきてDXで売り情報の収集力が上がりまた増え始めたという話も聞く。
新人 コロナが収束すれば先ほどの〝コロナ貯蓄〟もなくなりますからね。
先輩 でもコロナが収束すれば、今度はホテルや商業がよくなるから、全体的にはバランスが取れるという指摘もあるよ。
新人 つまり、あまり懸念
材料はないと。
先輩 あえていえば、人材確保かな。これからの不動産業にとってDXの活用が欠かせない。その活用の仕方によって生産性やサービスの質が決まるから、企業間の勝敗を分けるかもしれないね。






















