主要不動産会社の22年3月期第2四半期決算 大手堅調、中堅も上向き
住宅新報 2021年11月23日 号 1面

主な不動産会社の22年3月期中間連結決算と通期連結業績予想
商業・宿泊施設の回復が鍵
大手ディベロッパーに関して22年3月期上半期の全体的な傾向を見ると、堅調な業績を支えたのは物件売却であり、各社とも利益水準は過去最高レベルだった。
コロナ前と比べると高まっているオフィスの空室率に対する評価は、新規供給も二次空室も埋まっており、既存テナントが増額改定に応じていることを根拠に堅調であることを強調。「10月ごろからポストコロナの動きが本格化しており、テナントから相談されて様々な提案をしている状況」(三井不動産)だとする。
住宅も供給戸数の水準は高くないものの、マンション価格の高騰を受け粗利率は20%台と高い水準を維持。この結果、利益の伸びは売上高と比較して高い傾向が見られた。
コロナの影響が大きかった商業施設とホテルなど宿泊施設は、大幅減だった前年同期と比べれば落ち着きを見せる。ただし回復に力強さはなく、本格回復には今後のコロナの状況に左右されそうだ。
下半期の展望は、今後のコロナの感染拡大状況が見通せないことから保守的に捉えており、期初見通しから変更していない企業が目立つ。オフィスや住宅については、下半期も同様の傾向で推移すると見られ、業績回復の重しとなっている商業・宿泊施設の稼働が回復すれば、通期業績が上振れする可能性はある。
好調なマンション事業が下支え
マンションの開発・販売を主力とする準大手・中堅ディベロッパーにおいては、全体としては上向きの傾向がうかがえた。分譲マンションへの旺盛な需要が業績を支え、前年同期からの反動もあり、大幅な増収増益となった企業も少なくない。
「郊外、都心共に好調で予想を大幅に上回る引き渡し戸数」(長谷工コーポレーション)、「『新しい生活様式』に対応した販売活動により、コロナ下でも販売・引き渡しが好調に推移」(エスリード)など、コロナ禍への対応と着実な供給が増収増益につながったケースが目立つ。他方、「契約高は前年を上回るも引き渡し戸数は減少」(明和地所)するなどして大幅な減収減益となった企業もあり、まだら模様の決算状況とも言える。
オフィス・ビル事業を中核とするディベロッパーも好不調が分かれ、大幅な増収増益と業績が伸び悩むケースの双方が見られた。他方、収益不動産販売事業を主力とするディベロッパーは順調に業績を伸ばしている。
今後についても、堅調なマンション・オフィス市場が引き続き各ディベロッパーの業績を支える見通し。ただし、宿泊施設や商業施設関連は苦境を脱してはおらず先行きが不透明な点に加え、都市部の用地不足や建設資材の高騰といった要素による悪影響への懸念は強まっている。
大手住宅企業は増収増益、懸念材料も
22年3月期第2四半期で業績を公表した大手住宅会社の大和ハウス工業、旭化成ホームズ、積水化学住宅カンパニー、飯田グループホールディングスは増収増益となった。消費者の住まいへの関心の高まりを受け、住宅事業は堅調に推移した。
住宅事業における今後の懸念材料は、資材の価格高騰や宅地用の土地確保だ。資材高騰には自社のコスト削減などで対応してきたが、下半期は販売価格への反映が進むと見られる。住宅市場の活況を受け、宅地の確保が課題として浮上しており、仕入れルートの強化が求められる。
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