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スタンダード会員限定ADRの現場から 不動産会社が知っておくべきトラブル解決ノウハウ 190 不動産登記法が改正~法改正時はトラブルに注意 日本不動産仲裁機構

住宅新報 2021年11月16日 号 9面

連載: ADRの現場から

総合

 2021年4月に民法・不動産登記法が改正、公布されました。この改正により、「住所変更登記」が義務化されます。なお、新ルールについては、26年の適用開始が予想されています。改正の理由としては、近年、所有者がすぐに判明しない土地や、所有者が分かってもその所在が不明で連絡が付かない土地(所有者不明土地)が増加したことにより、公共事業、復旧・復興事業、民間取引などの土地の利用が阻害されているという問題が生じていることによります。

 そして、法の改正は、つまり「従来から馴染んだ仕組み」の変更となるため、もちろん全ての人がすぐに認識して対応できるとは限りません。ここで、人と人の間の「認識の違い」によってトラブルが発生することがあるのです。

 コロナ禍の発生初期である20年4月1日、「契約や金銭の支払いに関するルールを定めた民法の規定(債権法)を見直す改正法案」が施行されました。これにより、不動産業に関わる内容でいえば、例えば賃貸契約における連帯保証人に関する制度変更がなされました。

 従来では、保証金額の上限についての規定がなく、連帯保証人が自己破産してしまうケースが多くありました。

極度額の設定 そこで、「個人が保証人になる根保証契約(保証人になった時点ではどれだけの債務が発生するかわからないケース等、不特定の債務を保証する契約)について、保証人が支払いの責任を負う金額の上限=極度額を定めなければ、保証契約が無効になる」というルールが設けられたのです。極度額は保証する人とされる人の間で、書面等で合意して定める必要があり、これを定めなければ保証契約自体が無効となります。

 また、極度額設定については特に法律上のルールはなく、一般的には賃貸人と連帯保証人の間で合意した金額を自由に設定することになりました。その他の変更点として、連帯保証人保護の観点から賃借人死亡後に発生する賃料滞納等について、連帯保証人は責任を負わないこととされました。加えて、連帯保証人から請求があれば、賃貸人は家賃の支払い状況や滞納額等、賃借人に関する情報を伝えなければならなくなりました。

 これは、実に120年ぶりのルール改正でした。賃借人や賃貸人、不動産会社にはこれまでの常識が染み付いてしまっているため、改正内容が「遵守すべき新常識」として浸透するためには、ある程度時間を要することでしょう。不動産事業者としては、今回の改正内容を改めて把握しておくと共に、賃借人や管理会社等の関係者と認識合わせをしておく必要があると考えられます。

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